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“金メダル候補”アルゼンチンにリベンジ狙う東京五輪世代 久保や三笘の出場・起用位置は?【第2戦布陣は可変型か】
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJMPA
posted2021/03/29 11:03
アルゼンチンは世代別代表ながら“世界基準”を見せつけてきた。東京五輪世代の日本は再戦でどこまでアジャストできるか
タイでのショッキングな敗戦から何を学び、どう成長したか。今回のアルゼンチンとの第2戦は、それが試される格好のシチュエーションなのだ。それゆえ、指揮官は内心、ほくそ笑んでいるかもしれない、と想像したわけだ。
中2日、東京→北九州の移動は五輪本番を見据えて
第1戦が26日、第2戦が29日と中2日で試合が組まれ、東京から北九州へと移動するのも、本番を見据えてのこと。オリンピックのグループステージは中2日の試合間隔で進んでいくからだ。
第1戦の前日、横内監督はこんなふうに語っている。
「(練習場やホテルのある幕張の)夢フィールドから東京スタジアムへの移動は、時間がけっこう掛かる。本戦もそうなる可能性があるので、どのタイミングで食事を摂り、いつミーティングをするのか、普段とは時間の誤差も出てくるので、選手にはそれを体感してもらいたい。次の試合まで中2日のなかで、北九州というちょっと遠い場所に移動しますが、移動によるストレスや疲労がどれくらいになるのかを見られるいい機会。やってみないと分からないですから」
つまり、このシリーズは南米予選を首位で通過し、本大会の金メダル候補でもあるアルゼンチンの胸を借りるだけでなく、試合間隔やスケジュールも含め、本番を想定したテストマッチなのだ。
中山、板倉、久保が口にしたポジティブな面
肝心のゲームは0-1と僅差だったが、完敗だった。
21分にロングボール1本で背後を取られ、クロスからのヘディングで先制点を許した日本は、その後、自陣で守備をセットした相手を崩せなかった。一方、アルゼンチンは1対1で潰す、複数人で囲い込む、インターセプトから即座にカウンター、ロングボールを蹴ってセカンドボールを回収と、いかにも南米勢らしく狡猾で、嫌らしいプレーを続けた。
試合直後、キャプテンの中山雄太は「失点してからのほうがリズムが良くなった」と手応えを口にし、板倉滉は「やれたところはあるし、自分たちがチャンスをもう少し作れたんじゃないかなという思いもある」、久保建英は「後半は自分たちの時間もあって、相手と同じくらいチャンスを作ったけど、決め切れなかった」とポジティブな面を強調していた。しかし、手のひらの上で転がされた側面を、チームとしては認識しているに違いない。
2戦目の巻き返しに期待が持てるのは、トレーニングにおける熱気とコミュニケーション量の増加が見て取れるからだ。