Jをめぐる冒険BACK NUMBER
韓国に覇気がなくても「自主性」発揮、遠藤航&守田英正コンビ… “史上最も難しい日韓戦”で森保ジャパンに大収穫
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJMPA
posted2021/03/26 17:05
韓国撃破を決定づける3点目を奪った遠藤航。今や吉田麻也とともに欠かせないコアメンバーだ
日韓戦開催が決まった時、指揮官が語った覚悟とは
日韓戦の開催が発表された3月10日、森保監督に「今回の対戦相手が韓国になったのは、森保監督の希望ですか?」と訊ねる機会があった。
南アフリカW杯を目前に控えた10年5月の親善試合に0-2で敗れた岡田武史監督は窮地に追い込まれ、2011年の親善試合で0-3と敗れた韓国代表の趙広来監督は、それが遠因で更迭されている。親善試合で日韓戦を行うことのリスクは低くないのだ。
すると、森保監督はこんなふうに答えた。
「僕が望んでいるのはいつも同じで、そのときに戦える最強の相手をお願いしますということ。結果次第で自分の職を続けられるかどうかという話になるかもしれないですが、そもそもここまで続けさせてもらっていることに感謝しています。選手のため、チームのため、日本サッカーのためを考えれば、このタイミングでは韓国と対戦するのがベストだと思っています」
今回の日韓戦開催の背景には、指揮官のこうした覚悟と決意もあったのだ。
「ソン・フンミンが入れば別のチームになる」とはいえ
日本は1.5軍で、韓国は2軍だったって?
吉田麻也が言ったように「ソン・フンミンが入れば、まったく別のチームになる」ことは、最終予選に向けて肝に銘じておかなければならないだろう。
スタメンを見ると、日本は欧州でプレーする選手が8人で、韓国は1人だった。韓国のほうがベストメンバーを招集できなかったのは事実だが、裏を返せば、長距離移動と時差ボケを強いられる日本の選手たちのほうがコンディション調整は難しい状況だった。
実際、鎌田も「練習では身体がまったく動かなくて、国内組の人たちにチンチンにされていた」と明かしている。
しかし、日韓戦のピッチでコンディションの悪さを露呈した選手は、誰ひとりとしていなかったのだ。成長のあとは、こうしたところにも感じられた。
今回の日韓戦で得た手応えや自信、昨年の欧州遠征で突きつけられた教訓も、そのすべてがチームの血となり、肉となり、代表チームは成長を遂げていく。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。