Jをめぐる冒険BACK NUMBER
韓国に覇気がなくても「自主性」発揮、遠藤航&守田英正コンビ… “史上最も難しい日韓戦”で森保ジャパンに大収穫
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJMPA
posted2021/03/26 17:05
韓国撃破を決定づける3点目を奪った遠藤航。今や吉田麻也とともに欠かせないコアメンバーだ
チャーター便を用意してもらい条件をクリア
入国翌日から3日目まで毎日実施する検査の結果、3回すべて陰性であること――。
それが、コロナ禍における今回の試合出場の条件だった。サンプドリアで日本時間21日深夜の試合に出場した吉田が25日の韓国戦に出場するためには22日中に入国しなければならず、チャーター便を用意してもらって条件をクリアしたのだった。
「それもあって、ここで結果を出さなきゃ男じゃないというプレッシャーがいつも以上にあったんですよ、正直。だからこそホッとしたという部分もありました。夜遅くに着いたんですけど、通常便は飛んでいなかったので空港の職員の皆さんが待機していて、僕ら(吉田と守田)のために働いてくださった。そういうことも含めて結果を出さないといけないと思っていました」
韓国のゼロトップは予想外でも、ピッチ上で解決
難しさの要因は――目を覆いたくなるほどの韓国の拙さで埋もれてしまったが――試合中にもあった。
韓国は20年11月にメキシコ、カタールと親善試合を行っている。メキシコ戦では5-4-1でスタートし、試合途中に4-3-3へ、カタール戦では4-3-3でスタートし、試合途中で4-2-3-1へと変更したため、フォーメーションが読めなかった。
さらに言えば、「日本のディフェンスラインを混乱させるため」(韓国のパウロ・ベント監督)、MFのイ・ガンインを前線に置く、ゼロトップの奇襲を仕掛けてきたのだ。
そうした困難に対しても日本の選手たちはピッチ上で冷静に振る舞った。吉田が振り返る。
「相手が3枚で来るのか、4枚で来るのか、分からなかったですけど、ウォーミングアップを見ていて4枚だなと。でも、予想とは違ったんですよね。20番(イ・ガンイン)が張るわけでもないし、トップ下でもないし、中途半端な位置を取っていた。そういう誘いをしているんじゃないかと。ただ、ピッチ内で問題を見つけて解決しようとみんなで話していて、前半はうまくやれた。2-0で折り返したことで後半、韓国は何かしら変えてくるだろうということもハーフタイムに話していて、相手が3バックに変えたときも対応できたのは良かった」