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韓国に覇気がなくても「自主性」発揮、遠藤航&守田英正コンビ… “史上最も難しい日韓戦”で森保ジャパンに大収穫
posted2021/03/26 17:05
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
JMPA
なんとも難しいゲームだった。日本代表がこれまでに行った親善試合の中で最も難しいゲームだったと言えるかもしれない。
対戦相手の韓国は信じられないほど覇気がなく、考えられないほど闘う姿勢を欠いていた。しかも結果は3-0の完勝である。
それなのになぜ、難しいゲームだったのか――。
試合は木曜の夜だというのに、合宿がスタートしたのは月曜で、チーム最後の合流者となった吉田麻也と守田英正は月曜の23時30分に羽田空港に降り立った。
海外組と国内組が“かなり隔離された”中での準備
選手全員が揃って練習をしたのが試合2日前。しかも、新型コロナウイルス感染防止のため、海外組と国内組は可能な限りの隔離策が採られた。ホテルのフロアが異なるだけでなく、使用するエレベーターも、移動のバスも、食事の会場も、海外組と国内組は別々だったのだ。
それでいったいどんな準備ができるというのだろうか。
だが、それでもトレーニング中に可能な限りのコミュニケーションを取って、今回の親善試合に臨んだのである。しかも単なる親善試合ではなく、敗れたら大騒ぎとなる日韓戦に。
17年のE-1選手権、19年のE-1選手権で敗れた日本にとって、今回も負ければA代表同士の対戦において30年ぶりの3連敗となる。親善試合とはいえ、指揮官の解任論に発展しかねない試合でもあった。
麻也「見えないプレッシャーはいつも以上に」
「え~、ホッとしています。試合が終わって、こんなにホッとするのは久しぶりだなというくらいホッとしています」
試合後のオンライン取材で、吉田は席に着くなり安堵した。
「いつもそうですけど、代表戦は普段とは違うプレッシャーがありますし、当たり前ですけどキャプテンマークを巻く重圧もあります。それにプラスして今回は日韓戦ということもあって、プレッシャーは大きかったです。特に前回(2011年)の(互いに海外組を招集した)日韓戦を経験しているのは僕しかいなかったので、見えないプレッシャーはいつも以上に大きかったです」
吉田が普段以上のプレッシャーを感じた理由は、それだけではない。