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39歳松井大輔が明かす“ベトナム電撃移籍”の真相「先生として、プロとしての振る舞いなどを伝えて欲しいと」
posted2021/03/28 11:02
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
サイゴンFC
「すっごい活気があるよ。街も大きいし、人もいっぱいいる。バイクはちょっと邪魔だけどね。人によっては『終戦後の日本みたいだ』という人もいる。もちろん僕はその時代は知らないけれど、成長を続けている今のベトナムには、これからもっと成長を遂げていくんだという雰囲気を感じるよ。みんなが本当に頑張っているなって見えるんだよね」
昨年12月急遽、ベトナム1部リーグサイゴンFCへ移籍した松井大輔。あれから3カ月――。ベトナムでどんな日々を過ごしているのだろうか? 本人に話を聞いた(全2回の1回目/#2へ続く)。
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「なぜ僕だったかは、知らないんです(笑)」
テト(ベトナムの旧正月。2月12日)による休暇も返上し、松井を中心に高崎寛之、ウ・サンホらで自主トレを行った。高崎は浦和レッズ、鹿島アントラーズなどを経て、FC岐阜より加入したFW。ウ・サンホは韓国籍だが、Jリーグ下部組織出身。大学卒業後にはKリーグでプレーし、この度、栃木SCより加入したMFだ。
テト後には、新型コロナウイルス感染対策のためにリーグが一時中断期間に入ったが、2月25日には霜田正浩の監督就任が発表され、3月19日ホーチミン・シティとのダービー戦で再スタートを切った。
「サイゴンFCはまだクラブとしては始まったばかりで、練習施設も数十億を投じて作ろうとしている段階。環境という意味でもこれからだけど、そもそも日本みたいに環境が整っている国の方が、世界中でも珍しいと思うよ。いくつかの資金がある大きなクラブは整っているけれど、そういうわけじゃないクラブは多いから。海外に行けば、日本の当たり前を当たり前じゃないというところから考えなくちゃいけないんだよね」
鹿児島実業高校を卒業後、京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)でプロになった松井は、その後、フランス、ロシア、ブルガリア、ポーランドなど欧州各地でプレーしてきた。今回の移籍は、W杯出場など日本代表で活躍した経験が買われて成立したようだ。
「松井の“ま”は、真面目の“ま”だから! ……というわけじゃないけれど(笑)。日本人選手を獲得しようとしたときに、海外に対応できる経験が豊富で、かつ現役でプレーしている選手ということでリストアップしたと聞きました。そのなかでなぜ僕だったかは、知らないんです(笑)」