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京大を蹴って“あえて”早稲田を選んだ男も…早明慶帝のラグビー部歴代キャプテン126名の「卒業後」を追った話
posted2021/02/06 17:02
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Wataru Sato
高校、大学、トップリーグ、そして日本代表。ラグビーにおけるキャプテンは、様々な年代やレベルにおいてそのチームのリーダーであり、顔である。
Number1020号「日本ラグビー主将に学べ」では、リーチマイケル、平尾誠二をはじめ、歴代多くのキャプテンを取り上げているが、今回の特集で、編集部が興味を惹かれて、多くのページを割いたのが大学におけるキャプテンだ。
その理由は、仕事が多岐にわたるからだ。北野高校、慶應大学、東芝、そしてエディージャパンで主将を務めた廣瀬俊朗さんが、サッカーの中村憲剛さんとの対談「逃げない、信じる。それがキャプテン」の中でこんなことを言っている。
<北野高の部員は30人くらいでまとめやすかったんですけど、慶應大は100人以上。それに幼稚舎からの人、地方出身の人とか背景もそれぞれ違う。トップからリハビリグループまで4チームあって、どうマネージしていくか難しかった>
早稲田、明治、慶應、帝京……ラグビー部主将の卒業後の進路は?
それほど多様な人材が集まる大学ラグビー部を率いてきたのはどんな人なのか。そしていまはどんな仕事をしているのだろうか。
その疑問に答えるために制作をしたのが、完全保存版ブックインブック「大学ラグビー主将名鑑1990-2020」だ。
この名鑑では、早稲田、明治、慶應、帝京という4大学の1990年度から今年度(2020年度)までの全主将のプロフィール、現況などをまとめたものだ。この中には、元木由記夫、野澤武史、佐々木隆道、中村亮土、流大など、後に日本代表となった主将も多くいる。
卒業後も“スクラム並み”に固い絆
この名鑑製作で何よりも感じたのは、大学ラグビー部の強い絆、繋がりである。
早稲田は98年、明治は09年に主将2人体制だったため、掲載人数は総勢126人。現役選手やトップリーグのチームに関わっている人でもなければ、現在何をしているかなどはとても追いきれない。そこで協力を依頼したのが各大学ラグビー部のOB会だった。
その組織力は、どの大学も日本代表のスクラム並みに堅固。OB会を通じてプロフィールや自らの代の思い出など各主将にアンケートを依頼すると、多忙にもかかわらず、次々と回答を寄せていただいた(おかげで返信するのは大変だったが)。最後まで連絡がつかなかったのは本当に数えるほどだった。