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【祝26歳】南野拓実、リバプールで“脱・便利な控え”へのヒント… 岡崎慎司はどうレスターで序列を上げたか
posted2021/01/17 11:00
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
南野拓実は、悔しさを募らせたことだろう。
イングランド伝統の過密スケジュールによる連戦が続いた年末年始、南野の出場機会は増えると思われていた。おりしも、クリスマス前に行われたクリスタルパレス戦(12月19日)でプレミア初ゴールを奪取。コンディションの良さを買われて起用されると見られたが、12月27日のウェストブロムウィッチ戦からの4試合で、南野の出場は1試合のみに終わった。
ピッチに立った唯一の試合は、1月8日に行われたFA杯3回戦のアストンビラ戦。リーグ戦より優先順位の落ちるカップ戦で、先発のチャンスが与えられた。
ユルゲン・クロップ監督は日本代表FWを4-3-3の左FWとして先発メンバーに組み込み、国内リーグ前半戦で2-7の惨敗を喫したアストンビラの対策を試合前から練っていた。ところが、アストンビラに新型コロナウイルスのクラスターが発生し、ディーン・スミス監督とファースチーム全員が自主隔離となるアクシデントに見舞われた。一時は試合延期も検討されたが、アストンビラが23歳以下の若手選手を送り出すことでどうにか開催にこぎつけた。
アシストしたものの味方が南野を生かせず
結論から先に言えば、南野はこの試合で十分なアピールができなかった。後半17分の交代間際にアシストを記録したものの、内容としては「あまり効果的ではなかった」(英紙デーリー・ミラー)。
アストンビラが平均年齢18歳294日という超若手チームで臨んだからか、84%のポゼッションを記録したリバプールは、ゴール前に近づくとアタッカー陣が半ば強引にシュートを打った。南野としては周囲との効果的な崩しからシュートチャンスを引き寄せたかったが、その前に味方がゴールを狙ってしまう。4-1で勝利したFA杯は、そんな一方的な試合だった。
地元紙リバプール・エコーが「特に前半は存在感が希薄で、アピールできなかった」と日本代表に厳しい評価を下したように、どこか歯車が噛み合わない不完全燃焼の一戦となった。
試合後、目についたのがスポーツサイトの『ジ・アスレティック』でリバプール番を務めるジェームズ・ピアース記者のコメントだった。同記者は次のように記した。