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【川崎に加入】またも鮮烈な高校生Bリーガーが! なぜ米須玲音は美しいロングパスをドンピシャで通せるのか 

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青木美帆

青木美帆Miho Awokie

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photograph byKAWASAKI BRAVE THUNDERS

posted2021/01/15 17:01

【川崎に加入】またも鮮烈な高校生Bリーガーが!  なぜ米須玲音は美しいロングパスをドンピシャで通せるのか<Number Web> photograph by KAWASAKI BRAVE THUNDERS

類まれなパスセンスを持つ米須玲音。Bリーグでどこまでその才能を発揮できるか

「目でフェイクするんですよ」

 米須自身も「パスを出す前からチームメートの動きは見えている」と言う。

「自分でもうまく言葉で表現できないんですけど、広く、ぼやっと周囲を見ている感じですかね。ユニフォームの色で見分けているところもあるので、審判にパスを出したこともありますけど(笑)。ワンパスで速攻を出すときも、相手がシュートを打って、ボールがリングに当たる瞬間に他の選手が走り出すのが見えてるので、誰かがリバウンドを取った瞬間にパスを要求して、すぐに(走り出した選手に)パスを出すようにしています」

 いわゆる「間接視野」を生かし、優れた空間認識能力でドンピシャのロングパスを出す。米須のパスのよさは、彼の目の良さに起因するところもあるのかもしれない。

 北GMも会見で、彼のパスと目に関連したエピソードを教えてくれた。

「チーム練習の中で、うちの選手を2人引っ掛けてパスを通したらしく、ヘッドコーチ(HC)の佐藤賢次が驚いていました。玲音はですね……目でフェイクするんですよ。目で2人を寄せて、パスを通したんです」

 佐藤HCも「すでにうちのポイントガードにはないものを感じている」とコメントした。

川崎からのオファーは想定外だった

 昨年の河村フィーバーを受け、今年の高校ナンバー1ガードである米須にも、複数クラブから特別指定選手契約の打診があったという。大澤コーチも米須も、将来の目標であるBリーグ入りを見越してこれを利用したいと思っていたが、川崎からオファーが来ることは想像だにしていなかったという。

「『え?』って感じです。日本代表が何人もいるチームで、本当にいいのかなって思いました」と、米須はオファー当初を笑いながら振り返る。

 大澤コーチは「下手に試合に出ることよりも、Bリーグで屈指の強さと環境がそろった川崎さんで、プロがどのようなものかを学ぶことが大事だと思った」と話し、米須には「ベンチでもいいから、彼らから学び、いろんなものを盗んできなさい」と話したという。

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