バスケットボールPRESSBACK NUMBER
【川崎に加入】またも鮮烈な高校生Bリーガーが! なぜ米須玲音は美しいロングパスをドンピシャで通せるのか
posted2021/01/15 17:01
text by
青木美帆Miho Awokie
photograph by
KAWASAKI BRAVE THUNDERS
八村塁の母校・仙台大附属明成が3年ぶりの優勝を果たした今年度のウインターカップ男子。190センチ超の大型ラインナップを機能させ、並みいる強敵を倒して戴冠した仙台大附属明成の戦いぶりは劇的なものだったが、このチームを相手に、決勝の舞台で最後まで勝敗のわからない試合を演じた準優勝の東山も、とても魅力的なチームだった。
緻密なセットオフェンスとダイナミックな速攻を巧みに使い分け、小気味のいいコンビネーションプレーで鮮やかに得点。多くの試合機会を失った今季だからこそ「楽しんでプレーする」という目標を掲げたという東山の選手たちは、試合終了のブザーが鳴るまで、自分たちがやってきたバスケットボールをまっとうした。
そんな東山バスケの魅力の中心にいたのが、ポイントガードの米須玲音だった。
「日本を代表するポイントガードになってほしい」
決勝で15得点10アシスト10リバウンドのトリプルダブル。残り12秒、3点ビハインドという場面で得た3本のフリースローをすべて沈めた強心臓のポイントガードが、川崎ブレイブサンダースに特別指定選手として加入するというリリースが届いたのは1月7日のこと。
1月13日に行われた記者会見には25社37名の報道陣が駆けつけ、会見同日に開催されたホームゲームでは、彼の名前入りタオルが即完売した。
米須の獲得意図について、北卓也ゼネラルマネージャー(GM)はこう話す。
「即戦力というよりは、練習の中でいろいろなことを経験して、より上のレベルを見越して努力してほしいなと。先を見据え、プロに必要な要素を伝えながら中長期的に育成し、最終的にはブレイブサンダースのフランチャイズプレーヤー、そして日本を代表するポイントガードになってほしいです」
今回の帯同期間は、進学先である日大バスケ部の活動が始まる春先まで。北GMは「現状で決まっていることはない」と前置きした上で、今後も大学のオフ期間を利用してチームに帯同する構想があることを明かした。