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【波乱の箱根駅伝】最強世代「往路を走った1年生16人」の“明暗” 青学大・佐藤一世(4区)は「50点くらい…」
posted2021/01/02 20:10
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Yuki Suenaga
今回の箱根駅伝ほど、「1年生」が注目された大会はないだろう。
コロナ禍の中でようやく行われた夏の競技会、9月の全日本インカレ、そして11月1日に行われた全日本大学駅伝では三浦龍司(順天堂大)、佐藤一世(青山学院大)、石原翔太郎(東海大)の3人が区間新をマークした。
彼らだけではなく、他の大学でも1年生を戦力にカウントする傾向が強かった。
最強世代。
しかし、現実は甘くはなかった。
1区三浦(順天堂大)「自分の弱点をつかれるレースに」
1区では三浦への期待が高まった。三浦は、3000m障害で日本歴代2位の記録を持ち、オリンピックを狙う逸材である。12月の日本選手権では故障のため出場できなかったが、全日本の1区での落ちついたレース運び、そしてラストスパートのキレが鮮烈だった。箱根駅伝予選会でも日本人トップと、箱根ディスタンスへの適応も証明済みである。
しかし、終盤の区間賞争いに絡むことはできず、区間10位に終わった。
「スローペースは想定していたんですが、あそこまでのスローは想定外でした。後半のペースアップに対応しきれずに、自分の弱点をつかれるレースになってしまいました」
故障で練習が抜けた影響がどの程度あったかは分からないが、不完全燃焼の箱根デビュー戦となった。
2区松山(東洋大)“留学生区間でしぶとい走り”
「花の2区」は、いまや留学生区間になりつつあるが、東洋大の松山和希がしぶどい走りを見せた。タイムは1時間7分15秒の区間4位で、田澤廉(駒大)、名取燎太(東海大)らの記録を上回り、総合順位を5位へと引き上げた。東洋大が往路2位となったのは、この松山の走りがあったればこそである。
実は、東洋大のオーダーを見たとき、1区に2年生の児玉悠輔、2区に松山という布陣を見たとき、「未来シフトか?」と一瞬思ったが、松山の走りを見ると、改めて東洋大の育成力を見た思いがする。
「その1秒をけずりだせ」のスローガンは、確実に1年生に受け継がれている。
3区石原(東海大)と吉居(中央大)の“明暗”
3区で輝いたのは、東海大の石原翔太郎だ。