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《衝撃の箱根駅伝》往路12位…優勝候補・青学大に何が起きたのか? 「大失速につながった」3つのミス
posted2021/01/02 19:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Nanae Suzuki
箱根駅伝・往路12位――前回王者・青山学院大学がまさかの大失速である。ともに四強と目された、東海大学・駒澤大学・明治大学も思うような走りができず、往路は4回目の出場だった創価大学が初優勝で勝ちとった。
「絶対に出遅れない」トップと18秒差で2区へ
青学大のスタートは決して悪くはなかった。
1区の吉田圭太(4年)は、「自分はハイペースが得意。スローペースになって自分的には厳しい展開になったけど、最低限の走りができた」と、全日本大学駅伝の嫌なイメージを払拭する走りを見せた。
絶対に出遅れない――。高速駅伝での鉄則を吉田は厳守し、トップの法政大とは18秒差の6位。2区以降、十分に戦えるタイムで中村唯翔(2年)に襷を渡した。
2区でまさかの13位へ転落
中村は、駅伝デビューとなった全日本大学駅伝で3区3位と好走し、その安定感と伸びのある走りで2区を任された。
本来であればエースの岸本大紀(2年)が走るべき区間である。だが、今季は故障続きで夏の段階ですでに厳しい状況だったので、岸本の代わりではなく、2区を争える逸材として中村を育て、抜擢した。
調子が悪くはなかっただろうが、権太坂で10位に沈むと戸塚の壁では13位に。思うように伸びず、区間14位、順位は13位のままで終わった。
「圭太さんが良い位置で襷をもってきてくれたんですけど、自分のところでチームのみんなに迷惑をかけてしまいました。これが今の自分の力通りの走りで、力が足りていなかった」
そう語る中村の声は心なしか震えていた。
それでも、まだ2区である。
原晋監督は2区で順位が落ちるという最悪のケースも考えていただろう。ただ、残り3区間で各選手が持っている力を発揮すれば十分に盛り返せる。そのために3区に当日の選手変更で湯原慶吾(3年)を投入した。