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味スタ観衆1/5000人になってみた。
ナオの“予言”と室屋の名スピーチ。
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byYoshiaki Matsumoto
posted2020/08/21 20:00
この試合を最後にドイツへ旅立つ室屋へ暖かい“拍手”を送るFC東京サポーター。
石川&羽生のレジェンド解説!
座席の印象。広い! 隣の人との間には2~3席の間隔が空いていて、前後の列には人がいない。187cmの巨体を誇る筆者は、普段なら後ろの席の人に遠慮して、ちょっと腰をかがめて観戦するのだけど、今日は堂々と背筋を伸ばして、足を組むこともできる。
周りを見渡すと、やたらとスマホとピッチ上のウォームアップを同時に見ているサポーターが多い。スマホからはFC東京のレジェンド、石川直宏クラブコミュニケーターと羽生直剛クラブナビゲーターの声が漏れ聞こえてくる。あ、これきっと、試合日に配信しているYouTubeライブだな(青赤パークオンライン Before Tha Match supported by XFLAG)。さっそくスタジアムのフリーWi-Fiにつないで、視聴してみる。
画面では、この日の両チームのスタメンを示す布陣図ボードを持って、直さんが解説していた。
予言が的中、ハーフタイムにYouTube。
「(前節のC大阪戦でチャンスを作った場面では)前線の3人が中央で近い距離を取っていたじゃないですか。そこから誰かがラストパスを出す役割を担うとか。ウイングがサイドに開く戦い方もありますけど、時には中に絞って、この3人(永井謙佑、ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ)の関係性の中で出し手と受け手の関係を作る。そうすると、相手のサイドバックも絞りますよね。そうなった時に、(小川)諒也や(室屋)成が出て行くと、後ろにしっかり人数を揃えつつ、サイドが絡んでいける。前線の3人の距離感がうまくつくれたら、中盤が押し上げられますし、中盤の押し上げができない時でも、この3人で完結できる部分があると思うんですよね」
石川CCの“予言”は的中した。前半33分、室屋のボール奪取から安部柊斗→高萩洋次郎→永井とパスがつながる。中央で永井と近い距離感を保っていたレアンドロがラストパスを受け、右足でゴールネットを揺らした。
1-0で迎えたハーフタイム、再び『青赤パークオンライン』を視聴してみた。
「マッシモ(・フィッカデンティ監督)は先制点を取られるのを嫌いますからね」(石川)
「怒ってるわ、絶対。『ピザ、食えねえじゃねえか!』って怒ってるわ」(羽生)
YouTubeで試合のポイントと、元選手ならではの情報を“予習”した上で観る。これもウィズコロナ時代の「新しい観戦方式」だろう。