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味スタ観衆1/5000人になってみた。
ナオの“予言”と室屋の名スピーチ。
posted2020/08/21 20:00
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Yoshiaki Matsumoto
“本日、味の素スタジアムでサッカー開催のため、飛田給に臨時停車します”
京王線の車内に、アナウンスが流れる。新宿から特急でわずか3駅。いつものことながら、調布駅での乗り換えがないのは得した気分になる。
8月15日、FC東京vs.名古屋戦が行われたこの日の最高気温は35度オーバー。飛田給駅から味スタに続く道のりは、やっぱり暑い。すでに汗が噴き出しているけど、不快感よりワクワク感。いつもならスタジアムへの歩道橋から階段を降りて報道関係者受付に向かうのが、今日は一般の入場ゲートへ直行。目指すはホーム側ゴール裏席だ。
人数制限付きながら、観客の入場が解禁されて以降のJリーグのスタジアムは、劇場みたいになっている。声を出しての応援が禁止されているからこそ、素晴らしいプレーには、演劇のカーテンコールのように拍手の雨が降り注ぐ。観衆みんなが、いつもよりじっくり深く、サッカーを堪能している感じ。なんか楽しそう。いつか自分も、あの客席に座ってみたいと思っていた。
「勇気をもって、見合わせてください」
FC東京公式ホームページ内『観戦マナーについて』の一番上には、こう書いてある。
「無理な来場は、勇気をもって、見合わせてください」
当然、新型コロナウイルスへの感染対策はばっちりだ。入場ゲートの前にも、グッズ売り場前にも、トイレの前にも消毒液が設置され、床にはソーシャルディスタンスを守るためのシートが貼られている。もちろん入場時には、サーモグラフィーにて検温。自宅を出る前にも平熱であることは確認しているけど、ちょっとドキドキする。無事クリア。
この検温作業があるから、入場から席に到着するまでに、もっと時間がかかると思っていた。ところが、実際は超スムーズ。観衆が5000人以内に絞られていることもあって、入場ゲートに渋滞はなく、グッズ売売店や場内の飲食売店にも行列はできていない。ビールが売られていないのはちょっと寂しいけど、上海焼きそばとコーラを買い込んで、あっという間に自分の席に辿り着いた。