来た、見た、書いたBACK NUMBER
ガンバにまた10代新星FW唐山翔自。
ボールを引き寄せる嗅覚と大黒将志。
posted2020/08/21 08:00
![ガンバにまた10代新星FW唐山翔自。ボールを引き寄せる嗅覚と大黒将志。<Number Web> photograph by J.LEAGUE](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/1/0/1500wm/img_10819b807dbe3564bdf180db9003739a288251.jpg)
“ガンバの10代有望株”と聞くだけでワクワクするのはサポーターだけでないはず。唐山翔自はどんな成長曲線を描くだろうか。
text by
![下薗昌記](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/b/2/-/img_b2f95485f8939cbcb01b43953f89991c5755.jpg)
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph by
J.LEAGUE
数々の名ストライカーを輩出してきたブラジルのサッカー界にはこんな決まり文句がある。
ボールは点取り屋を引き寄せる――。
8月12日のルヴァンカップ、湘南ベルマーレ戦がトップチームのデビュー戦となったガンバ大阪の唐山翔自は、生粋のストライカーであることを自ら証明して見せた。
ADVERTISEMENT
ガンバ大阪ユースに所属していた昨年、高校2年生にして既にJ3リーグを戦い、9月1日の福島ユナイテッドFC戦ではJリーグ最年少となる16歳345日でのハットトリックを達成。そのポテンシャルの一端を随所で見せつけていた唐山は、今季飛び級でトップチームに昇格した。
「点を取ってこい」
宮本恒靖監督にこうハッパをかけられてトップデビュー戦に臨むと、開始早々の12分、山本悠樹のFKをファーで合わせて先制点を叩き出す。
あたかも、ボール自身が唐山を引き寄せたかのようなワンシーンだが、「悠樹君のインスイングキックは本当に質が高いので、あそこに抜けてくるというのはゴール前に入る前から思っていた。後はマークの人を外してフリーで打つことだけを考えて入りました」と狙い通りの動き出しだったと唐山は胸を張った。
宮本監督にとっても嬉しい誤算。
わずか12分でデビュー弾を叩き込んだ若き俊英の活躍は、ジュニアユース時代に1年だけ指導した宮本監督にとって想定内だったが、嬉しい誤算も待っていた。
「やはり点が取れるところに入ってくるなという風に見て思いましたけど、2点取るとは思っていなかった。1点ぐらいは取るなと思っていたんですけど、2点というのは想定外と言うか……」
一度は同点に追いつかれたガンバ大阪だったが39分、完全に湘南を崩し切ると高木大輔のラストパスから利き足でない左足で冷静にゴールネットを揺さぶり、決勝ゴールをゲットするのだ。