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ついたあだ名は「Mr.信頼」。
遠藤航の評価がドイツで爆上げ中。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byAFLO

posted2020/08/01 11:40

ついたあだ名は「Mr.信頼」。遠藤航の評価がドイツで爆上げ中。<Number Web> photograph by AFLO

「復活≒1部返り咲き」という記念Tシャツを手にする遠藤航。27歳、大きな波が彼に向かってきている。

ドイツ人が気にするデュエル数が圧倒的。

 では、周囲からの信頼を勝ち得た遠藤のピッチの上での貢献は、どう分析すれば良いだろうか。

 最近は、選手の貢献度を示すデータであふれている。

 例えば、それぞれの選手が出場した試合でチームが挙げた勝ち点はPPS(Punkte pro Spiel)という指標で表わされる。その選手が出場すると、チームは平均でどれだけの勝ち点を得るか、という数字だ。全勝ならば3.00、1勝1敗なら1.50、全敗ならばもちろん0.00になる。

 実は、遠藤が出場している試合で勝ち点のペースが増えていたというわけではない。彼のリーグ戦でのPPSは1.67点で、20試合以上に先発した選手の中でもチーム8位だ。特筆すべき数字ではない。

 しかし、注目されたのはドイツでの評価に大きく影響する以下のデータだろう。

 90分あたりの守備時のデュエル数:6.96回(チームトップ)

 守備時のデュエル勝率:66.27%(チーム2位)

 つまり遠藤は身体を張ってデュエルを挑み、勝っていた。

 178cmの身長はドイツでは低い部類に入るが、空中戦デュエルも138回でチームトップを記録している。

 ドイツではデュエルを指すZweikampfという指標があり、そのデータは毎試合のようにメディアに載る。そして、守備でもっとも身体をはっているのが彼なのだ。だからこそ、高く評価触れたのも当然のなりゆきだった。

守備は守備でも、攻撃につなげる守備。

 さらに興味深いのは、身体を張る場面が変化していたことだ。

 中継局のインタビューで印象的だったのは、待つ守備だけではなく積極的に前に出てボールを奪いに行く守備への手応えをにじませていたことだ。いわゆるゲーゲンプレッシングに磨きをかけていったわけだ。

 そうした攻撃的な守備の成果も、いくつかのデータに表れている。

・インターセプト総数 127回(チーム2位)
・90分平均インターセプト数 5.23回(チーム2位)

 シーズンの最初から出場していれば、インターセプトの単純な回数でもトップを記録していただろう。何しろ遠藤が先発したのは34試合のうち20試合だけだったのだ。

【次ページ】 遠藤がいればアジアカップは優勝していた?

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