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ついたあだ名は「Mr.信頼」。
遠藤航の評価がドイツで爆上げ中。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2020/08/01 11:40
「復活≒1部返り咲き」という記念Tシャツを手にする遠藤航。27歳、大きな波が彼に向かってきている。
ドイツメディアがニックネームを付け始めた。
他にも、ドイツメディアはこんな風に表していた。
「日本のボディーガード」
「Mr.信頼」
警備会社のCMのオファーが来そうなニックネームだ。
シュツットガルトと浦和レッズのOBであるギド・ブッフバルト氏も、カールスルーエ戦で特別解説を務めた際に、こう絶賛した。
「遠藤は典型的な『6番』だ。シュツットガルトの守備に安定性をもたらすし、マイボール時には彼のところでボールが落ち着く」
ドイツではポジションを数字で表わすことも多く、『6番』というのは日本人が『ボランチ』と聞いて思い浮かべるポジションに近い。
そんな遠藤のことを最も高く評価していた人物はたぶん、この人だ。
スヴェン・ミスリンタート――。
ドイツ中が認める目利きのSD。
シュツットガルトの選手編成の責任者であるSD(スポーツディレクター)で、日本のファンにも広く知られている。ドルトムントのスカウト、アーセナルのリクルート部門長を歴任した人物で、ドイツに彼の目利きとしての能力を疑う者はいない。
彼にしっかり評価されたことには大きな意味があった。
監督はよく代わる。成績不振にともなう電撃解任もよくある話だし、ときには首脳陣と衝突したり、プライベートな理由でクラブを去ることもある。
監督からのラブコールを受けて移籍したのに、その監督がすぐにクラブを去ってしまい、路頭に迷う。そんなケースは移籍にはつきもので、こうした状況に苦しんだ日本人選手の名前も1人や2人はすぐに思い浮かべられるはずだ。
監督は「雇われる」立場だが、選手編成を司るSDやGMは「雇う」側だ。
どちらからの評価が、その人の将来に大きな意味を持っているのか。サッカー界とは無関係であっても、どこかの会社に一度でも所属した人間ならばわかるだろう。