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本田圭佑を直撃取材。「中学から
人生の逆算の方程式はできていた」

posted2020/06/21 09:00

 
本田圭佑を直撃取材。「中学から人生の逆算の方程式はできていた」<Number Web> photograph by Getty Images

直撃取材はCSKAモスクワに所属していた2011年に行われた。同クラブには4シーズン在籍し、うち2季でCLに出場した。

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph by

Getty Images

コロナ禍で多くのスポーツが延期や中止されるなか、Number Webでは、『Sports Graphic Number』の過去の記事のなかから、「こんなときだからこそ読んで欲しい」と思う記事を特別公開します! 今回は「783号 非エリートの思考法。」(2011年7月21日発売)に掲載された「本田圭佑 『俺の辞書に“安定”の文字はない』」を前後編に分けて配信します。ガンバのユースに上がれなかった男が、いかにして日本代表のエースにまでなったのか。本文にあるように「変わりたいって思っている人に役立つような」話が満載です。
<後編「本田圭佑が語る。カッコつける理由、『嫌なこともやる』、『自助論』。」は記事最終ページ下の「関連記事」からご覧になれます。>

 助手席のドアを開けると、運転席で本田圭佑がハンドルを握っていた。白い短パンに、白い麻のシャツ。足元は革のサンダルだ。いつものように両腕に時計を巻き、サングラスをかけている。

 6月中旬、モスクワ郊外のCSKAの練習場──。

 本田が運転する真新しい四駆に乗り込むと、やわらかい香水の匂いに包み込まれた。

 本来ならば練習場で取材する場合、クラブハウスの出口で待って、車のドア越しに質問するのがパターンだ。

 だが、この日本代表のエースにとっては「いつもどおり」では刺激も、おもしろみもないのだろう。車の横から今回のテーマである「思考法」について聞きたいと交渉すると、驚くような提案をしてきた。

「ちょっと時間がないんで、家に帰りながら車で答えてもいいですか?」

 断る理由などあるはずがない。慌てて待たせていたタクシーに残金を払い、助手席の側にまわった。

想定外が起こることも、自分にとっては想定内。

「参考までに、家までどれくらい?」

「30分くらい。まあ、道が混んでいたら、もっとかかりますけど」

 この日ばかりはモスクワ名物の渋滞が頼もしい。本田がシフトレバーをドライブに入れるのとほぼ同時に、録音機のスイッチを押した。

――去年取材したとき、2010年W杯のカメルーン戦のゴールもデンマーク戦のゴールも想定内だったと言っていた。本田くんにとって「想定内」とはどんな概念?

「すごいシンプルで、僕は常に『想定外も起こりうるだろう』って考えている。たとえば試合前に100の準備をしたとする。でもプラスアルファで20何かが起こるだろうって心構えをしておくわけ。当然、それが何かはわからないけど、とにかく何かが起こるだろうと。だから、想定外が起こることも、自分にとっては想定内なんです」

【次ページ】 「安定」という言葉は僕の辞書にはない。

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#CSKAモスクワ

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