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本田圭佑が語る。カッコつける理由、
「嫌なこともやる」、『自助論』。

posted2020/06/21 09:05

 
本田圭佑が語る。カッコつける理由、「嫌なこともやる」、『自助論』。<Number Web> photograph by Getty Images

取材が行われたCSKA時代の本田。2010年、CL決勝トーナメント1回戦のセビージャ戦で30mもの距離から決めた直接FKは鮮烈だった。

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph by

Getty Images

 コロナ禍で多くのスポーツが延期や中止されるなか、Number Webでは、『Sports Graphic Number』の過去の記事のなかから、「こんなときだからこそ読んで欲しい」と思う記事を特別公開します! 今回は「783号 非エリートの思考法。」(2011年7月21日発売)に掲載された「本田圭佑 『俺の辞書に“安定”の文字はない』」を前後編に分けて配信します。ガンバのユースに上がれなかった男が、いかにして日本代表のエースにまでなったのか。本文にあるように「変わりたいって思っている人に役立つような」話が満載です。
<前編「本田圭佑を直撃取材。『中学から人生の逆算の方程式はできていた』」は記事最終ページ下にある「関連記事」からご覧になれます。>

 高速道路を降りると、高層マンションが立ち並ぶ一角が現れた。心なしか道路のアスファルトまできれいに見える。マンションの駐車場にはゲートがあり、1階のロビーにはスーツを着たコンシェルジュが立っているのが見えた。

「車を手配するので、それまでどこかで時間を潰しましょう」

 本田の案内で敷地内を歩く。マンションどうしの間隔はかなり離れており、木々が植えられて公園のようになっている。リャマが放し飼いになっている動物園のような場所もあった。

「すごくいいところだね」と言うと、本田は「ここは守られている感じがするよね」と笑った。敷地内にあるオープンカフェに入った。

 カラフルな布製のソファーに腕をまわして本田が座ると、雑誌の撮影のワンシーンのようになる。残念ながら、直撃取材なのでカメラマンが同行していないのだけど。

「エスプレッソをダブルで」と本田が注文した。自分も同じ物でと言うと、本田がロシア語で「ドゥヴアー(2つ)」と伝えた。ときおりそよ風が通り抜け、午後のゆったりとした時間が流れていく。

みんなが嫌がることを我慢してできるかどうか。

─―最近、日本代表選手の本が売れているんだけど、本田くんは出さないの?

「興味はないねぇ。まあ、もし引退してから出すことになったとしても、サッカーだけの本にはならないかな。偉そうな言い方になってしまうかもしれないけれども、変わりたいって思っている人に役立つような本になると思う」

――今日の取材の中にも、役立ちそうな話がいっぱいあった。

「まあ、やっていることはみんなとあまり変わらないんだけどね。結局、みんなが嫌がることを我慢してできるかどうかなんですよ。オレはスーパーマンでもなんでもない。ただみんなが嫌なこともやれるし、夢のためにやりたいことも我慢できる。それを本当に徹底していて、あとは人よりも思いがちょっと強いだけ。その差が結果に現れたりするんですよ」

――少しの差が、大きな結果を生み出すと。

「オレはそう信じているよね。それを信じてがんばっていかなあかん」

【次ページ】「いるのよ、神様って」

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