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久保建英、南野拓実、冨安健洋。
水沼貴史が語る3人への期待と現状。 

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水沼貴史

水沼貴史Takashi Mizunuma

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2020/06/10 11:50

久保建英、南野拓実、冨安健洋。水沼貴史が語る3人への期待と現状。<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

久保建英擁するマジョルカのリーガ再開初戦はバルセロナとなる。メッシら相手に本拠地でどのような活躍を見せるのか。

自分の特徴を見失わないこと。

 南野が評価されているのは、シュートのうまさ、得点力、ゴールに直結するチャンスメイク、そして守備面でのハードワーク。今はそのベースは忘れてはいけません。チームに合わせようとこれまでと違うことをするのでなく、自分の特徴を見失わないことが一番大事。必ずその先にきっとゴールがあるはずです。

 リバプールの優勝が早く決まれば、必然的に試合に出るチャンスは増えるでしょう。長く休んでいるからこそ、主力たちは怪我のリスクを避けますし、クロップが来季を見据えた布陣に切り替える試合も出てくるはず。もしそこで結果を出せれば、自ずと来シーズンへの期待感は高まりますよね。

 短い期間の中で、ピッチで何を見せられるか。「新戦力はいらない! 南野がいる!」と首脳陣を唸らせるプレーを期待したいですね。

評価高まる冨安は縦パスに注目。

 リーガやプレミアと比べても試合数が多く残るセリエAは、6/20の再開から8月上旬までに12試合を消化します。期待したいのは、現地での評価が高まっている冨安健洋です。

<中断前までの成績>
セリエA
20試合出場(先発20)2アシスト
コッパイタリア
1試合出場(先発1)

 所属するボローニャではサイドバックとしてレギュラーに定着し、怪我で戦列を離れた数試合以外は、すべてスタメン出場。「守備の国」と言われるイタリアでDFとして20試合出場、そのほとんどがフル出場。これは立派な数字ですよ。チームも現在10位ながらEL出場を狙える位置をキープしています。

 冨安のプレーぶりを見て感心するのは、とにかく「準備」が早いこと。こまめにポジションチェンジを繰り返しながら、次のプレーを予測して動く。インターセプトやボール奪取率が高いのも頷けます。さらにスルスルとボールを持ち上がり、ゴールに直結するクロスやパスを繰り出すなど、攻撃面にも成長が見られますね。

 また、私が好きなポイントは彼の縦パスへの意識。森保一監督から意識付けされていることを、ハイレベルなリーグで積極的に実践しています。それに彼は両足を使えるのでビルドアップのバリエーションが豊富なんです。右サイドバックであれば、左から相手が寄せることが多いので、右足でのコントロールからのパスが常ですが、平然と左足で中に入れることもある。これには驚かされました。

 前線の選手からすれば、後ろからあれだけつなげるのは嬉しいですよ。誰かを経由せずともボールがくることがわかれば、動き出しの質も高くなりますから。

 イタリアには、失点しないことを最優先するしたたかさがあります。「ウノゼロ(1-0)」の文化がリーグの根底にある。その辺は前所属のベルギーリーグとの違いも感じているはず。頭がいい選手ですから、イタリア流の"したたかさ"を身につけてほしいです。

【次ページ】 再開初戦はロナウド擁するユーべ。

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