水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
久保建英、南野拓実、冨安健洋。
水沼貴史が語る3人への期待と現状。
posted2020/06/10 11:50
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph by
Daisuke Nakashima
中断が続いてきたスポーツ界ですが、ようやくサッカー界でも再開の目処が立ってきました。まだ慎重にならざるを得ない状況は続きますが、こうやって再びサッカーが観れることを嬉しく思います。選手やスポーツに携わる私たちは、医療従事者やあらゆる形で尽力してくださっている方々に改めて感謝をしないといけません。その気持ちを忘れずに、盛り上げていきましょう。
自粛期間中、改めて感じたことは、自分自身がこんなにも「真剣勝負」を欲していたのかということです。無観客での大相撲では力士のぶつかり合う音、声が聞けて、新たな楽しみを発見できました。
これまであまり触れてこなった競馬も面白かったですね(笑)。レース前の独特な緊張感、一斉に走り出す馬、勝利を喜ぶ騎手の表情を観て、「真剣勝負」がもたらすものは大きいなと感じました。ブルーインパルスの飛行機雲からのコントレイル圧勝は、素晴らしいドラマ性でしたよね。
「非日常」の中で行われた「真剣勝負」を観ることは、現在置かれている状況を自分の頭の中で整理することにもつながる。そのおかげでスタジアムが空っぽのブンデスリーガの中継に、動揺なく臨むことができました。Jリーグも無観客試合での再開となりますが、その前に「真剣勝負」に触れておくことは、"再開"へのいい準備になるのかなと思います。
ブンデスを見て感じたことは?
そのブンデスリーガは、すでに5節を消化。プレーぶりを見ても、徐々に選手のコンディションは戻ってきているなという印象です。十分なトレーニングを積んでいない影響もあり、再開直後は多くのケガ人が発生したようですが、ピッチ内では球際の激しさを取り戻し、従来の雰囲気に戻ってきました。
一方で、ホームチームの勝率が全体の20%前後。やはりサポーターによるホームアドバンテージがない。明確にはわかりませんが、「ゴール前の凌ぎ切るところであと一歩が出ない」といったメンタル面での影響は多少あるのかもしれません。これから始まるJリーグや他国のリーグにおいても、優勝争いや順位にも少なからず影響してくるでしょうね。