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久保建英、南野拓実、冨安健洋。
水沼貴史が語る3人への期待と現状。 

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水沼貴史

水沼貴史Takashi Mizunuma

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2020/06/10 11:50

久保建英、南野拓実、冨安健洋。水沼貴史が語る3人への期待と現状。<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

久保建英擁するマジョルカのリーガ再開初戦はバルセロナとなる。メッシら相手に本拠地でどのような活躍を見せるのか。

残留争いの中、ヒーローになれるか。

 欲を言えば、残り11試合、すべてのゲームに出てほしい。怪我のリスクはありますが、厳しい日程の中で自分の力を発揮し続けることができることを証明するのは、今後を見据えた上でとても重要。

 さらにマジョルカは現在、降格圏内の18位。チームを残留に導くことができれば、ヒーローになってステップアップできるはず。逆にチームとともに停滞することがあれば、当然印象が悪くなります。一戦一戦が勝負ですが、ポジティブに考えて、これまで蓄えてきたものを存分に発揮してシーズンを走り抜いてもらいたいですね。

 それにしても、バルセロナの後はビジャレアル(6/16)、その次は残留を争うレガネス(6/21)、そして24日にはレアル・マドリー。ビルバオ(6/28)、セルタ(7/1)を挟んで、アトレティコ・マドリー(7/5)ですか……。すべての試合に出てほしいと言いましたが、スケジュールを見ると、末恐ろしい連戦ですね。まずはバルセロナ戦で活躍して、日本のサッカーファンを喜ばせてほしいです。

南野にとっては“優勝後”が大事。

 プレミアリーグは6/17からの再開。臨場感あるスタジアムが多いリーグですから、個人的には無観客ゲームでどんな変化が起こるか、一番気になるリーグです。

 勝ち点25ポイント差で首位を独走するリバプールは、再開初戦のエヴァートン戦(6/21)に勝利すれば、2位マンチェスター・シティの結果次第では優勝が決まる可能性も。30年ぶりの栄冠をほぼ手中に収めているわけですが、南野拓実にとっては、その優勝以降の戦いが重要になってくるでしょう。

<中断前までの成績>※1月加入
プレミアリーグ
3試合出場(先発0)
FA杯
3試合出場(先発3)
チャンピオンズリーグ
1試合出場(先発0)

 今年1月の加入後、リーグ戦出場は3試合。好調なチームの中に割って入るのは容易いことではないですが、苦しい状況なのは間違いないでしょう。2列目からの飛び出しがうまい南野ですが、現状の3トップ&3センターのシステムの中でどう生きるか、探っている最中。プレーにまだ迷いが感じられ、ボールもなかなか回ってこない。

 質の高いフリーランニングは(ユルゲン・)クロップ監督の評価を得ているようですが、厳しい言い方をすれば、ピッチ上には監督はいないわけです。リーグ戦では決定機を逸するシーンもあり、焦れったい時間が続いています。

 でも、落ち込む必要はまったくないとも思います。この中断期間をポジティブに捉えて、「リセットできた」と考えるべきです。自主トレーニングの中で、ここまでの戦いを振り返ることもできただろうし、自分のやるべきこと、大切なことを整理する時間になったはず。なんと言っても、己の力で勝ち取った「リバプール移籍」ですから、自信を失う必要はありません。

【次ページ】 自分の特徴を見失わないこと。

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