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王者マンUの牙城が崩れた2010年代。
シティとリバプール台頭。今後は? 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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posted2020/05/26 18:00

王者マンUの牙城が崩れた2010年代。シティとリバプール台頭。今後は?<Number Web> photograph by Getty Images

2019-20シーズンのリバプールは中断前、圧倒的な強さを見せた。南野拓実も加わったチームは今後どのような道筋を歩むのか。

ファギー去りし後のシティ隆盛。

 それでもファーガソンは巧みなマネジメントで2010-11シーズン、2012-13シーズンを制している。デイビッド・モイーズ、ルイス・ファンハール、ジョゼ・モウリーニョ、オーレ・グンナー・スールシャールといった後任は戦力不足を嘆いたが、ファーガソンは一切愚痴らなかった。与えられた戦力を活かすことが監督の使命、ということか。

 なお、稀代の名伯楽が去った後、ユナイテッドは最終盤まで優勝争いに加わったケースが一度もない……。

 対して、シティはこの10年間でプレミアリーグを4回制している。

 1回目はロベルト・マンチーニが指揮した2011-12シーズン、2度目はエマヌエル・ペジェグリーニ体制下の2013-14シーズンで、3~4回目の戴冠は2017-18シーズンからの連覇。監督はもちろん、ジョゼップ・グアルディオラである。

 2011-12シーズンは最終節の後半追加タイムに2ゴールを奪い、勝点で並んだユナイテッドを得失点差で退けた。2013-14シーズンは攻めに徹して2度目の戴冠。ただし、ペジェグリーニが選手に自由を与えすぎ、なおかつ2015-16シーズンの終盤に「後任はグアルディオラ」とフロントが口を滑らせたため、選手たちは集中力を失った。

 この結果、2014-15シーズンからの2年間はリーグタイトルから遠ざかっている。

ペップ初年度3位が、その後の改革に。

 グアルディオラの初年度となった2016-17シーズンも自らのポゼッションスタイルと選手の特性を見誤り、3位に終わった。しかし、この1年はその後のシティを形作る上で痛みを伴う改革になった、といって差し支えない。

 アレクサンダル・コラロフ、パブロ・サバレタ、ガエル・クリシ、バカリ・サニャ、ヘスス・ナバスなど、グアルディオラのゲームプランにそぐわない選手を放出。代わってGKエデルソン、DFアイメリック・ラポルテ、カイル・ウォーカー、ベンジャミン・メンディ、MFベルナルド・シウバなど、市場価格を破壊するリスクを冒してまで現在の主力を獲得している。

 シティの補強は功を奏し、2017-18シーズンは勝点、総得点、得失点差といったリーグレコードを破り、2位ユナイテッドに19ポイントもの大差をつけて優勝した。

 続く2018-19シーズンも、リバプールとデッドヒートの末に連覇を達成した。悲願のチャンピオンズリーグこそいまだにお預けだが、シティはグアルディオラの綿密なゲームプラン、強化部門の人脈、『ADUG』の経済力で我が世の春を謳歌することになった。

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