猛牛のささやきBACK NUMBER
恩師が語る吉田正尚の規格外な打球。
「プロはなんで獲らんかな、と」
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![米虫紀子](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2020/05/15 11:40
![恩師が語る吉田正尚の規格外な打球。「プロはなんで獲らんかな、と」<Number Web> photograph by Kyodo News](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/d/7/700/img_d72b60214dfd1551a2cfb0b19ed86206151413.jpg)
球界屈指のスラッガーに成長した吉田。昨季は打率.322でリーグ2位、自己最多となる29本塁打をマークした。
高3でスランプも、大学で開花。
しかし高校3年の夏は、福井県大会準決勝で福井商に敗れ、甲子園には届かなかった。
「この代で(甲子園に)行けなかったら辞めようと思っていた」という林は、その夏を最後に監督を退任し、コーチを務めていた東哲平・現監督に引き継いだ。
高校3年の時、吉田はスランプに陥っていた。「成績がガクッと落ちて、悩んで、ゴールが見つからないまま夏の大会に入ってしまった」と振り返る。
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目指していた高卒でのプロ入りを断念し、青山学院大に進学した。
林は、「プロはなんで(吉田を)獲らんのかな、と思いましたよ。身長がどうとか、肩がどうとか……。でも、結果的には大学に行ってよかったんじゃないですか。高卒で行っていたとしたら、6位とか7位あたりだったでしょうし」と言う。
吉田は大学日本代表で4番を務めるなど4年間で存在感を増し、2015年のドラフトで1位指名されオリックスに入団した。人生、どう転ぶかはわからない。
プロ入り後は、1、2年目に悩まされた腰の怪我も克服し、一昨年、昨年は全試合出場を果たした。昨年はリーグ2位の打率.322を記録し、キャリアハイの29本塁打。今季も、新加入の4番アダム・ジョーンズとともに、3番吉田は打線の核と期待されている。
シーズン中は観れないTV番組で。
今回の神妙な電話インタビューの中で、ふと吉田の声のトーンが緩んだのは、「最近笑ったことは?」という質問に答えてくれた時だった。
「テレビぐらいですかね。最近は再放送ばかりであまり娯楽がないですけど、『相席食堂』っていう番組は結構面白くて観ています。普段のシーズン中だったら見ない時間ですけど」
『相席食堂』はお笑い芸人の千鳥がMCを務める番組で、関西では火曜日の午後11時17分から放送されている。
通常のシーズン中なら、ナイターが終わって家に帰ると、「ご飯を食べて寝るだけ」のため、テレビを見ることはあまりないが、今は家にいる時間が長いため、テレビなどから情報を得る機会が増えていると言う。