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井上尚弥と同門、大橋会長も太鼓判。
“気弱なアンディ”が世界に近づく。 

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栗田シメイ

栗田シメイShimei Kurita

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photograph byOhhashi Boxing Gym

posted2020/03/02 11:00

井上尚弥と同門、大橋会長も太鼓判。“気弱なアンディ”が世界に近づく。<Number Web> photograph by Ohhashi Boxing Gym

トップランク社と契約した平岡アンディ。4月25日、ジムの先輩にあたる井上尚弥の3団体統一戦のアンダーカードに登場する。

現在もアルバイト、まだ何者でもない。

 トップランクと契約したとはいっても、日本チャンピオンですらないIBF世界14位。平岡は週に4度、ジムでのインストラクターのアルバイトで生計を立てている。現段階では、まだ何者でもないのだ。2年弱リングを離れ、回り道もしてきたが自身初となる世界戦への挑戦はそう遠い未来ではないだろう。陣営は今年3、4戦を組み世界ランキングを上げ、来年での世界戦を目論む。
 
 父ジャスティス・コジョ氏は手厳しくも、最近では6割程度の力は試合に出せるようになったと見ている。

「本来であれば、アンディはもっと早くラスベガスの舞台に立っていたはず。だから、私からすれば全然ダメ。本来の実力の、3、4割くらいしか出せていなかったから、遅すぎたくらい。仮に息子が100%の力を引き出せたら、ラスベガスの観客も席に座ってられないと思う。強い相手であればあるほど、彼の技術や能力の引き出しが世界に見せられる」
 
 この発言は、ジムの先輩である井上尚弥がドネア戦後に話した、「引き出しを見せられた」という発言にも重なる。

4月25日、井上戦の前座に登場。

 かつて弱気で泣き虫と揶揄されたボクサーに未来図を尋ねると、こう笑みを浮かべた。

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「たぶん普通よりは才能はあるんでしょうが、自分が思う才能とは絶対的に他の人よりも練習してきたこと。練習で自分を追い込めたことから才能に変わったと思うし、精神的にも強くなれた。今は対戦相手から、『怖いぞアンディ!』と恐れられる存在になりたいですね」

 来る4月25日。平岡は井上尚弥の世界統一戦のアンダーカードを戦うことが決定している。場所は平岡家の夢が詰まるラスベガスだ。

「力が出せれば特に恐れることはない。できるだけ強い相手を強いボクシングで倒したい」

 ボクシングの聖地での2戦目、トップランク社が認めたその潜在能力は広く世界に知られることになるはずだ。

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