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ミシャと札幌が考える“勝ち点70”。
「まだ3年目、きっと生き残れる」
posted2020/02/19 20:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Getty Images
2020年シーズンのコンサドーレ札幌には、正直なところ期待と不安が交互に折り重なっている。
昨年の覇者横浜F・マリノスを始め、鹿島アントラーズ、FC東京、柏レイソルなどが積極的に選手補強に走る中、札幌は大卒の選手3名を除けば、新加入選手は2月に入ってから獲得したドゥグラス・オリべイラとGKカウィン・タンマサッチャーナンだけ。
彼らが本当に戦力になるのかどうかの判断はこれからになるが、岩崎悠人が湘南に期限付きながら移籍をし、即戦力の補強が出来ていないことを考えると、戦力的にはややマイナスと言えるだろう。
だが、これは「今後、札幌というクラブが成長していくため」だとペトロヴィッチ監督(愛称ミシャ)は言う。
「札幌は、他のチームと比べて資金力があるチームではないので、お金をかけて既存の選手と肩を並べる選手を獲ってくることは簡単ではありません。我々にイニエスタを買うお金はないんですよ(笑)。
ただ、我々は高級マンションは買えないですが、作ることができます。今年は大卒の選手が3名入ってきましたが、彼らのように才能ある若い選手を育てながらチームの上積みをしていくのが札幌の進むべき道です。そうしてクラブが成長し、長く繁栄できるようにするのが私の仕事です」
ミシャは、現有戦力に絶大な信頼と自信を抱いている。
2年間で選手たちが大きく成長。
指揮した2年間で選手が大きく成長し、鈴木武蔵、進藤亮佑、菅大輝ら日本代表入りする選手が出てきた。
また昨年はルヴァン杯決勝に進出し、川崎に敗れはしたが、「選手は優勝を手にしたいという強い思いを出すようになり、メンタル的にポジティブな変化がある」と選手の精神的な成長も感じている。