話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
ミシャと札幌が考える“勝ち点70”。
「まだ3年目、きっと生き残れる」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byGetty Images
posted2020/02/19 20:00
ミハイロ・ペトロヴィッチが札幌で迎える3シーズン目。4位から10位と昨季は順位を下げたが、表情はいたって明るい。
元来、大人数を抱えるタイプでもない。
そもそも、メンバーをほぼ固定化して戦うミシャのやり方においては、レギュラー11人と強力なサブ4、5人がいれば足りてしまう。そういう観点で言えば、昨年のレギュラーメンバーを維持しているので、あとは新人選手や既存の若い選手が台頭してくればという考えなのだろう。
また、昨年優勝した横浜F・マリノスのように固定したメンバーで戦うことで、グループで複雑で連動した動きが可能になり、攻撃面でさらに強みを発揮することができる。ミシャは、「より戦術的な深みを出せる」と言ったが、噛み砕いて考えるとそういうことなのだろう。
ただ、昨年は失点が49点と多かった。そのためにキャンプから守備の修正を図るべく、前線から激しくプレスを掛けてボールを奪い取る練習をつづけてきた。そうして、できるだけ1対1の状況を生み出し、その対応に責任を持たせる取り組みをしてきた。
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その手応えはどうだったのか。
完成度はまだまだ、それでも継続。
「昨年の失点を見て、それを減らすための取り組みとしてキャンプ中、前からプレッシャーをかけていく試みをしていたけれど、私が思っていたほどの出来ではなかったですね。
プレスを簡単に外されたり、裏を取られたり、シンプルなミスでボールを奪われて失点するシーンが多かった。そういうところは改善しなければならないですし、まだまだ課題が多い。それでも選手はその練習に積極的に取り組んでいたし、この取り組みはシーズン中に何かしらの形で生きてくると思っています」
手応えとしては、まだまだということだ。
だが、継続していくとのことなので、ハイプレスではないにしろ、積極的に前からプレスをかけていくスタイルを模索しているのは確かだ。