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U-23選手権、ポジション争い構図。
東京五輪の18人に生き残るのは誰?
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKyodo News
posted2020/01/09 11:50
アジア各国は東京五輪出場権をかけて必死に戦ってくる。その相手に対して日本は開催国としてのプライドを見せられるか。
主将のGK小島が求める個の競争。
実際、選手たちはタイに入ってから選手ミーティングを行ない、改めて今大会の目標が優勝であることを確認し、意見をぶつけ合っている。
チームキャプテンに任命されたGK小島亨介が明かす。
「自分としては、チームとしての成熟度を上げたいというところと、結果にこだわることをみんなの前で話させてもらった。五輪に向けてみんなで集まれる機会は多くないので、その1回1回の合宿でチームの成熟度を高めることが重要になる」
そのうえでチームキャプテンは、ひとりひとりが生き残りを懸けてプレーすることの重要性も訴えた。
「個でアピールするということもすごく重要だと思っていて。結局は個の総和がチーム力になるので、個の競争がなければチーム力も上がってこない。まずは個でしっかりアピールすることをやってほしい。その中で、個だけじゃないよということを自分が発信していきたい。日本代表として呼ばれているわけなので、チームが勝つためのメンタルを作ってほしいと思います」
堂安、久保、冨安、板倉らが不在。
これまで東京五輪代表チームには、2017年12月の立ち上げ以来、74人の選手が招集されてきた。それから2年が経ち、今大会で23人に絞られたわけだが、これが現状のベストメンバーというわけではない。
ヨーロッパはシーズン中のため、今大会に招集できた欧州組はスコットランドのハーツに所属する食野亮太郎だけ。その食野もグループステージ3試合のみの限定参加となっている。
それ以外の欧州組――堂安律、久保建英、冨安健洋、板倉滉といったA代表組も、中山雄太、三好康児、前田大然、安部裕葵、菅原由勢といった常連組も呼べていない。
本番に向けたサバイバルには彼らが参戦するうえに、オーバーエイジの3人も加わってくる。しかも、オリンピックのメンバーは18人の少人数に限られている。
単純に計算すると、今大会に参加した23人のうち、オリンピックへの切符を手にできるのは、10人にも満たない人数となる。かなり熾烈なサバイバルというわけだ。