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箱根駅伝、区間エントリーの注目は?
復路の「7&8区」が重要なワケ。
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byNanae Suzuki
posted2019/12/28 11:50
東海大を率いる両角速監督。2011年に母校の監督に就任、今回は連覇を狙う。
東洋大は往路に主力を投入か。
今年も7、8区の重要性は変わらない。
「5強」のなかで、往路優勝を積極的に狙い、復路での「先頭効果」に重きを置きそうなのが東洋大、駒大、國學院大だろう。
東洋大は相澤晃、駒大は田澤廉、國學院大は浦野雄平という「切り札」だけでなく、他の主力も往路で投入してくる公算が高い。
そうなったときに、7、8区にどのレベルの選手を起用できるのか。明日のエントリーで1万m28分台の記録を持っていたり、全日本大学駅伝で実績をあげた選手を起用できれば、チームとしての調整が順調だということが伺える。
東海、青学は復路勝負の比重が大きい。
そして前回王者の東海大、そしてリベンジを狙う青学大は選手層の厚さこそが強みであり、7、8区に有力な選手を並べてきそうだ。
事実、青学大の原監督はこう語る。
「極端な話、往路は10位でも良いと思っているんです。順位よりも先頭とのタイム差が重要でして。先頭から1分以内で往路を終えられれば(復路で)面白いレースが見せられます」
箱根駅伝未出場ながら1万m28分31秒と力のある4年生・中村友哉、11月の世田谷246ハーフを1時間3分11秒で制した2年生・飯田貴之あたりが起用されると面白くなってくる。
また東海大の両角監督は「アンカー勝負になることも覚悟している」と発言しており、復路勝負を見据えている。
そして前回同様に7区・阪口、8区・小松と経験者を並べて万全を期す可能性もあるし、故障から復帰した主将の館澤亨次、上尾ハーフで1時間2分11秒と勢いのある1年生・松崎咲人らを起用しても、他校にとっては怖い「逆転の切り札」となるだろう。
12月29日の区間エントリー。7、8区に隠された監督の意図を探りつつ、決戦を前にした展開予想を楽しみたい。