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若虎たちが挑むウインターリーグ。
藪恵壹が求める未来への目的意識。
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藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byKyodo News
posted2019/11/22 20:00
![若虎たちが挑むウインターリーグ。藪恵壹が求める未来への目的意識。<Number Web> photograph by Kyodo News](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/0/7/700/img_07bd1bd2daded51805d9dcd20cb0b65f150268.jpg)
かつて藪恵壹が付けた「18」を背負う馬場皐輔は2年間で登板はわずか4試合。このウインターリーグで飛躍のきっかけをつかめるか。
タイガースから出場する選手は?
さて、タイガースからは、WHITEに5選手が参加しています。
ピッチャーは、馬場皐輔と牧丈一郎の2人。馬場は'17年のドラフト1位ですが、2シーズンを終えて今のところ目立った活躍がありません。変化球は良いものを持っていますから、軸になる真っ直ぐをしっかりと磨く機会にしてほしいところです。
出場を回避した齋藤友貴哉に代わっての参加となった牧は、来季育成契約を結ぶことが決まりました。唯一の高卒としての入団でしたが、身体が一番大きかったことを覚えています。せっかくのチャンスですから、再び支配下を勝ち取れるような絶好のアピールの場になれば良いですね。
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7月に育成から支配下登録となった捕手の片山雄哉は、ルーキーながら打力には目をみはるものがあります。振りも鋭く、すでに一軍レベルと言ってもいいでしょう。ただ、いかんせんスローイングに難があり、キャッチャーとして使えるかというと……。ここはぜひ、他球団コーチを利用して学んでほしいと思います。
熊谷はビジョンを、島田は数字の意識を。
内野手として派遣される熊谷敬宥は、昨年のルーキーシーズンで19試合に出場したものの、今季は出場ゼロに終わってしまいました。伸び悩んでいる印象ですね。
タイプとしてはリードオフマンで、上本博紀に被るところがあります。来季以降で巻き返すためには、まず選手としての目標、自分はこれで生きていくんだという意識を明確に持つことです。足なのか守備なのか、守備にしても、大学時代に守ったショートなのかセカンドなのか。阪神の内野を長年支えてきた鳥谷敬も今季で退団ですから、この機会に自分でどういう選手になりたいのかというビジョンを描くことが大事だと思います。
5人目は外野手・島田海吏。彼は足のスペシャリストになれる選手ですよ。中学時代にはあの男子100メートル・桐生祥秀選手にタイムで勝ったという逸話もあるほどです。まあ、そのとき桐生選手は怪我をしていた、というオマケつきですが(笑)。
「足なら近本以上」と言い切れるように走塁技術や勘を磨くことができれば、一軍定着も遠くないと思います。そのためには、先に触れた砂川のホームラン数のような明確な数字意識を持つこと。ベンチのサインに頼らず、自分の頭で考えて走ることを意識してほしいですね。