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若虎たちが挑むウインターリーグ。
藪恵壹が求める未来への目的意識。
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byKyodo News
posted2019/11/22 20:00
かつて藪恵壹が付けた「18」を背負う馬場皐輔は2年間で登板はわずか4試合。このウインターリーグで飛躍のきっかけをつかめるか。
飛躍につなげるための「目的意識」。
ウインターリーグに派遣される選手は、球団から選出されています。今大会のタイガースの人選は、伸び悩んでいる選手に抜け出すきっかけをつかんでほしいという、春季キャンプを見据えた意図が感じられます。ですから、うまくいけば来シーズンの抜擢や躍進にもつながってくると思います。
どの選手にしてもまだ2年目以内と若いですし、ウインターリーグで他リーグの選手や他球団のコーチと触れることは大きな刺激になるはずです。そこで大切なのは、あれを得よう、これを学んで帰って来よう、という来季を見据えた目的意識です。過去にウインターリーグへ派遣された阪神の選手は、岩貞祐太のようにシーズンでのブレイクにつながったケースもあれば、何を学んできたのかと思うようなケースもありました。その違いは目的意識の差にある、と私は考えています。
コーチにとっても学びの場。
そして、このウインターリーグで学ぶことができるのは選手だけではありません。阪神からは、'20年シーズンから一軍打撃コーチへの昇格が予定されている新井良太・二軍打撃コーチも派遣されています。
コーチのスキルや教え方、考え方には、チームによって色があります。同じ打撃コーチだけでなく、投手コーチや守備コーチにしても、他球団の指導者と触れ合う機会というのは多くないでしょう。もしチャンスがあればベースコーチに立つのも良いと思います。これまでファームで指導してきた経験をもとに貪欲に学び、来シーズンに生かしてほしいですね。