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堂安律&久保建英か、それとも……。
五輪代表、2シャドーというパズル。 

text by

飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT

posted2019/11/18 20:00

堂安律&久保建英か、それとも……。五輪代表、2シャドーというパズル。<Number Web> photograph by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

久保建英と堂安律。間違いなく個人能力が高い2人だ。ただし同じレフティー、突破型であることも念頭に置く必要がある。

同じレフティで突破を狙うタイプ。

 U-22日本代表の主戦システムである3-4-2-1における2シャドーは、1トップやウイングバックとの連係やポジショニングによって、攻撃のキモとなるポジションだ。

 ハーフスペースに立って相手CBとSBを混乱させ、フリックなどを用いたワンタッチパスを駆使して相手守備網を攻略する――。その効果は、同じコンセプトであるミハイロ・ペトロヴィッチ監督時代の浦和レッズの武藤雄樹、李忠成、柏木陽介(李と柏木は広島時代も主力)、あるいは森保監督時代の広島の高萩洋次郎、柴崎晃誠のプレーを思い出すと分かりやすい。

 ところが、同じレフティで、足元で受けて仕掛ける堂安と久保は、1トップの上田綺世との連係よりも突破を試みることが多く、広範囲に動きすぎたり、狙うスペースが重なったりと、相手4バックに対して前線に5枚を並べる優位性を生かせなかった。

 いつもならディフェンスラインやボランチから1トップに楔のパスをもっと入れるが、この日はチーム全体がどうも堂安と久保ばかりを意識しているようで、それも全体のダイナミズムを損なわせた理由に感じられた。

三好が語った“シャドーのツボ”。

 これまでシャドーの一角を担い、この日はベンチスタートだった三好康児は前半の出来について、こう感じていたという。

「なかなか攻撃のチャンスが作れていなかったし、2列目にボールが入ることも少なかった。ボールを受ける、引き出す部分も、そこから前に繋げていく、前を生かす部分も自分の特長なので、自分が入ることによって攻撃の回数は増やせると思っていた」

 この言葉には、攻撃を加速させるリンクマンとしての“シャドーのツボ”が凝縮されている。

 2点目を許した直後の62分には、三好を投入して4-2-3-1へと変更したが、このチームが4-2-3-1で戦うのは'18年8月のアジア大会・ベトナム戦以来、2度目。久保、堂安、三好と3人のレフティを2列目に並べたが、左サイドに開いた久保は窮屈そうだった。

【次ページ】 思い出すジーコJの「黄金の4人」。

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