サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
言い訳の余地がない4失点完敗。
日本代表への信頼を取り戻せるか。
posted2019/11/20 11:30
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
どんなチームでも負けることはある。
自分たちが最高のパフォーマンスを見せても、勝利に届かない試合は起こり得る。サッカーは相対的なスポーツだからである。
2019年11月19日の日本代表は、最高のパフォーマンスを見せたうえで敗れたのか。ベネズエラに喫した1-4の敗北は、相手を讃えるしかないものだったのか。
否、そうではない。
ベネズエラがスキのないチームだったのは間違いない。直前の来日だった昨年11月の対戦でもクオリティの高さをうかがわせたが、9日から13日にかけて全選手が来日した今回はそもそもコンディションが良かった。自分たちのスタイルを打ち出せるフィジカルが整っており、4-3-3のシステムが攻守にわたって機能していた。
得点源となるべきサロモン・ロンドンが、先制のヘディングを含めてワンタッチシュートでハットトリックを達成した。彼が独力で局面を打開したわけではなく、もっとも力を発揮できるペナルティエリア内で3得点をあげたのは、ラファエル・ドゥダメル監督の戦術的意図が浸透していた表われだった。
手堅い布陣のはずが、前半に4失点。
ひるがえって日本はどうだったか。
14日のキルギス戦から引き続きスタメンに名を連ねたのは、CBの植田直通、ボランチの柴崎岳、2列目右サイドの原口元気の3人にとどまる。主力の海外組が不在だった一方で、11人全員が森保一監督のもとでプレーした経験を持つ。
初代表の4人をベンチスタートとし、GKに川島永嗣を起用し、橋本拳人を柴崎の横に置き、2列目左に中島翔哉を配する11人は、ひと言で表現すれば「手堅い」ものだった。
ベネズエラとの客観的な力関係を踏まえれば、テストに振り切ったスタメンは上から目線が過ぎる。どんな試合でも勝利を求める森保監督らしい選手起用とも言えるが、だとすれば拮抗した戦いへ持ち込まなければならない。前半のうちに4失点を喫したことに、言い訳の余地はない。