プロ野球亭日乗BACK NUMBER
韓国を破り世界一! プレミア12で
見えた東京五輪の4番、捕手、救援陣。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2019/11/18 12:20
MVPを獲得した、日本の4番・鈴木誠也。
審判をどうリスペクトするか。
ただそういう捕手としての駆け引きは相手打者だけではなかったところが、国際試合では焦点だったのかもしれない。
「韓国打線は振りの強い打者が多いのでそれにどう対処するかに焦点を当てて考えていた。それと後は審判ですね」
決勝の韓国戦後。会沢が明かしたポイントは意外なものだった。
「審判の特徴をいかにつかみ、どうやってリスペクトしていくか。そこはすごく考えたことでした」
北京五輪では審判団に反感を買った。
日本代表には苦い思い出がある。
2008年の北京五輪では初戦のキューバ戦での判定を巡り星野仙一監督が審判団に猛抗議。しかしアンパイアは絶対的な存在として守られている国際大会では、逆に審判団の反感を買って日本は目をつけられてしまう結果となった。
日本代表にももちろんこの反省はある。
今大会のベネズエラ戦で審判までの距離が遠く、声が届かなかったために稲葉監督が指笛を吹いてアンパイアを呼んだことがあった。だが翌日には「人に対して指笛を吹くのは失礼」と監督が反省のコメントを出して、以後は封印。改めてアンパイアへのリスペクトを示した。
「しっかりアンパイアの名前も聞きましたし、普段、慣れないところで早めに(ジャッジの)特徴をつかむことに気を使いました」
会沢が言うようにアンパイアをリスペクトして、ジャッジに文句を言う前にストライクゾーンのコースや高低の偏り方をしっかり把握する。それが結局は投手を救うことにつながることにもなる。