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韓国を破り世界一! プレミア12で
見えた東京五輪の4番、捕手、救援陣。
posted2019/11/18 12:20
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
野球の国際大会「第2回プレミア12」は11月17日、東京ドームで決勝戦が行われ、日本が韓国を5対3で下して同大会初優勝を飾った。
日本代表の国際大会での優勝は2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2連覇を達成して以来で、10年ぶりの世界一戴冠となった。
「日の丸をつけて野球界のために、とにかく世界一になりたいという思いが非常に強かった。何とか勝たせてあげたいと、そんな一心で選手がよく頑張ってくれたと思います」
選手の手で8度、宙を舞った稲葉篤紀監督は、こみ上げるものを抑えることができずに男泣きしていた。
悲願の世界一奪回。指揮官が指摘したように選手の頑張りが光った大会でもあった。特に来年7月29日に開幕する東京五輪の野球競技に向けて、この勝利の中で数多くの選手が名乗りを挙げた。そこがこの世界一での大きな収穫といえるものだった。
鈴木誠也の存在感。
その筆頭が台湾でのオープニングラウンドから全8試合で「4番」を任され、打率4割4分4厘、3本塁打、13打点をマークして大会MVPに選出された鈴木誠也外野手(広島)の存在だ。
日本代表の4番は、ここ数年はDeNAの筒香嘉智外野手が務めてきた。中南米系の投手の動くボールに対して、ポイントを近づけて逆方向へも長打を打てる。国際大会での適応能力の高さを持った打撃で、不動の4番として君臨してきていた。
だがその筒香がこのオフにポスティング制度を使ってのメジャー移籍を表明し、東京五輪に向けての侍の“4番問題”解決は急務のテーマだったのである。
候補としては故障で今大会は出場辞退となったソフトバンク・柳田悠岐外野手らの名前が挙がっていたが、稲葉監督の理想の4番は右打者。その期待に応える結果を残した。