7回以降のゲームプランが完成。

　一方、投手陣の収穫では侍の守護神・山崎康晃投手（DeNA）に加えて甲斐野央投手（ソフトバンク）と山本由伸投手（オリックス）の加入で7回以降のゲームプランがほぼ完成したことだった。

　甲斐野は決勝の韓国戦でも7回からマウンドに上がって1イニングを3人でピシャリ。この大会通算では5試合に登板して全て1イニングの5回を投げて許した走者はメキシコ戦での四球の1人だけという完璧な内容だ。

「ブルペンでは吐きそうなくらい緊張した。出来過ぎですけど、やっぱり落ちるボールが有効なことは実感できた」

　150kmを超すストレートに落差のあるフォーク。国際試合では必須のコンビネーションだ。そこが甲斐野にも山本にも共通する好投のポイントだが、加えてフォークの制球力の高さもこの大会で2人に目立った特長だった。

「ストライクゾーンからどう落とすか」

「どこからきちっと落とせるか。低くいき過ぎても振ってくれないし、やっぱりストライクゾーンからどう落とすか。甲斐野も山本もそれができていた。その点が大きいですよね」

　こう解説したのは韓国戦でマスクを被った会沢翼捕手（広島）だった。

「基本は真っ直ぐ。そのためにまず腕をしっかり振ろうと思ってマウンドには上がりました。そこにどうフォークを使っていくかだと思います」

　こう語る山本はメキシコ戦では8回にマウンドに上がるとフィニッシュは全てフォークで3者連続三振。決勝の韓国戦でも同じくセットアッパーとしての8回の登板で2つの三振を奪って甲斐野と共に、反撃の芽を断ち切る投球が光った。

【次ページ】　五輪本番での「リリーフ軍団」。