プロ野球亭日乗BACK NUMBER
韓国を破り世界一! プレミア12で
見えた東京五輪の4番、捕手、救援陣。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2019/11/18 12:20
MVPを獲得した、日本の4番・鈴木誠也。
五輪本番での「リリーフ軍団」。
五輪本番ではこの2人に山崎を加えたトリオに、左投手では今大会は故障で辞退のパ・リーグのセーブ王・松井裕樹投手(楽天)か決勝で6回を任された左サイドの中川皓太投手(巨人)のいずれかが、終盤を任されるリリーフ軍団を作ることになる。
国際大会で難しいのは最後の3回をどう逃げ切るかだと言われる。北京五輪の韓国戦でも土壇場の8回に岩瀬仁紀投手がイ・スンヨプ外野手に勝ち越し2ランを浴びた苦い思い出がある。
「改めて後ろがしっかりしていることの大切さを実感した大会。それぞれが次の1点を与えないという意識でしっかりつないでくれていることが大きかったと思います」
建山義紀投手コーチがこう指摘するように、後ろから逆算した投手陣の組み立てのためには、甲斐野と山本が存在感を示せたことは東京五輪に向けての侍ジャパンの大きな収穫であったと言えるだろう。
第3の捕手的な位置付けだったが……。
そしてもう一つ、この大会を通じて存在感が大きく増したのが、決勝マスクを任された会沢の存在感だ。
大会当初は失礼ながら第3の捕手的な位置付けのスタートだったが、試合を重ねるごとにその存在感が大きくなっていった。そうして決勝戦では山口の先発にもかかわらず、同じ巨人の小林誠司捕手ではなく先発マスクに指名された。
真骨頂を見せたのは米国戦で敗れた直後のメキシコ戦で先発した今永昇太投手とのコンビだった。
「今永とは宮崎合宿からコミュニケーションをとってきていた。相手のデータもそれなりに入っている中でゲームプランをねって入りました」
こう語って真っ直ぐに強いメキシコ打線に対して1巡目はカーブを上手く使いながら、2巡目になると真っ直ぐ、スライダーにチェンジアップなど多彩な変化球を組み合わせて押し引き巧みなリードで引っ張った。