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ラグビーW杯へ、激化するSH争い。
田中史朗、流大、茂野海人の個性。 

text by

戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2019/08/05 19:55

ラグビーW杯へ、激化するSH争い。田中史朗、流大、茂野海人の個性。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

トンガ戦にスタメン出場したSH流大。ベテラン田中史朗、茂野海人とともに三者三様の色を出し合い、チームを勝利へ導く。

経験豊富な田中を加えた3人の争い。

 茂野との競争について聞かれても、表情を変えることはない。最後のフレーズには、ほんの少しだけ力を込めた。

「同じチームで戦っているわけですから、お互いにいいところを出して切磋琢磨していければいいと思います。もちろん、負けない気持ちは持っています」

 先行する2人との距離を縮めたように見える28歳の茂野も、意志に漲った声で話す。

「アメリカ戦に出ることがあれば、しっかりとしたパフォーマンスを出したいです。強気のランで仕掛けていきたい」

 '11年と'15年のW杯に出場している34歳の田中には、20代のふたりにはない経験がある。代表キャップ69は日本歴代5位で、現チーム最多である。

 流にはリーダーシップがある。帝京大学で4年時に主将を務め、現所属のサントリーでは2年目から主将を任されている。166センチ、71キロの身体には、しなやかな統率力が装備されているのだ。W杯に出場したことはないが、経験者の風格を持つ。

 茂野ははっきりと上り調子だ。スーパーラグビーで見せた好調さをそのまま維持し、自身初のW杯出場をつかもうとしている。チームに勢いをもたらせる存在だ。

 W杯には明確な序列で臨むとしても、誰かひとりで大会を乗り切ることはできない。競争しながらも心と心を響き合わせ、彼らは共鳴していく。

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