サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
新布陣の左に長友佑都は手ごたえ。
「翔哉は世界レベル相手でもやれる」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2019/06/06 18:00
トリニダード・トバゴ戦で117キャップとなり、歴代3位に浮上した長友佑都。
「結局0点というのは重く受け止めたい」
「親善試合で、しかもホームで戦ってのこの結果は受け止めなくちゃいけない。代表は、常に勝利を求められている場所なので。初めてのシステムである程度上手くいった部分、ポジティブな部分もすごい見えました。でも結局0点というのは、重く受け止めたいなと思います」と長友は神妙な顔で話した。
そして「なにを変えれば得点に近づくのか?」という問いに対しては、「これは、もう神様に聞きたいくらいです。なにがと言われると、1つの答えというのはないなと思います」
たとえば、攻めても攻めてもゴールが奪えない試合は、過去にもある。しかしそういう閉塞感の漂う試合であっても、ゴールを決めて、代表を救う選手がいた。たとえば、本田圭佑だ。中村俊輔が、中田英寿が、そうであったように。日本代表のエンブレムの重さを担いながら、執念漂うひと蹴りで決めた。
親善試合だから結果よりも内容という意見もあるだろうが、勝たなければ勝ち癖はつかないし、勝ち方も身にはつかない。若い選手たちに対し、長友は「勝ちきるため」にどんなアドバイスをするか。
「根性論だけでは、結局うまくいかない。気持ちといってもみんな気持ちはあるし、勝ちたい気持ちはあるので。そんなことよりもやっぱり、プレーの精度を上げるための、努力を選手ひとりひとりがしないといけない。結局あれだけチャンスを作って、0点というのはね。
たとえば、メッシやクリスティアーノ・ロナウドだったら、何点決めているんだっていう試合だったでしょ? もちろん、そこまでのレベルになれというわけじゃない。ただ、選手たちが厳しい環境の中で、厳しい当たりの中で、どれだけのクオリティを発揮できるのか。そういう環境と高いトレーニング意識を持って、チャレンジし続けられるのか? それができないと厳しいと思います」
勝てなかったトリニダード・トバゴ戦をどう受け止めるのか? そこに選手自身とチームの成長の鍵があるのかもしれない。