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新布陣の左に長友佑都は手ごたえ。
「翔哉は世界レベル相手でもやれる」 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2019/06/06 18:00

新布陣の左に長友佑都は手ごたえ。「翔哉は世界レベル相手でもやれる」<Number Web> photograph by Getty Images

トリニダード・トバゴ戦で117キャップとなり、歴代3位に浮上した長友佑都。

シュート数は25対5で圧倒したが。

「攻め残っている相手へのケアは一番むずかしい。3バックのウイングバックは特に。前にプレッシャーを掛けるのか、後ろが危ないから後ろに下がるのか。それとも中途半端なポジションを取り、相手を混乱させるのか。

 とにかく今日は考えながらやっていたので、脳が疲れましたよ、いつもより。このウイングバックはとにかくポジショニングで頭を使う。それができないとチーム全体が狂う、僕らのポジショニングひとつで。難しいですね」

 そう振り返る長友は、試合前にも森保一監督と入念な話をしたという。

「試合前も森保さんとは、相手のサイドバックに対して、僕が出ていくタイミングなど、すごく話し合いました。監督によって、ガンガン出て行けという人もいるし、5バック気味にまずはステイして、出て行くという人もいるから」

 裏を取られるシーンも数度見られたが、無失点で抑えられた。しかし、相手の力を考えれば、当然の結果ともいえる。90分間のシュート数が日本25本、トリニダード・トバゴ5本というデータを見ても一方的な試合だったことは容易に想像がつく。しかし、安定した守備から攻撃へ転じるとき、サイドを活かして攻め入るもののゴール前を固めるトリニダード・トバゴに手を焼いた。

「このシステムだと、前の枚数は3人しかいない。だからこそ、個人で打開できる選手じゃないと話にならない。ただ、堂安(律)や(中島)翔哉は明らかに個ではがせる選手。翔哉は世界レベル相手でもやれると思います。なんかこう僕自身、翔哉に対して、信頼しているので、2人の関係性ではそこが一番大きい」

中島を活かすために、無駄でも走る。

 そんな中島をフリーにし、活かすためのポジショニングにも気を配った。

「とにかく相手のサイドバックを僕に引き付けて、翔哉につかせない。翔哉をフリーにさせるという意味で、そのポジショニングは常に意識していた。翔哉にボールが入ったときにスイッチをいれるところや、無駄走りでもいいから走る。

 そうした結果、翔哉が打開できてシュートまで持ち込めるというシーンはたくさん作れた。そこは自分の経験が活かせている。どのポジションをとれば、彼が楽になるのか、逆に自分自身が活きるのかということを、考えながらやれた。これが若いときだったら、ガンガン行くだけ行って、全部裏を取られる感じになっていたと思います」

 71分に交代した中島はチーム最多の7本のシュートを打った。そういう意味では日本の左サイドは良い仕事ができていたと言える。右に比べれば、スムーズだったのは鮮明だった。

【次ページ】 新システムは「間違いなく強みになる」。

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