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「若い選手たちに還元したいね!」
ハマの助っ人“チャモさん”のお話。 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byKyodo News

posted2019/03/27 10:30

「若い選手たちに還元したいね!」ハマの助っ人“チャモさん”のお話。<Number Web> photograph by Kyodo News

昨年9月にNPB通算150本塁打を達成したロペス。今年もチームの精神的支柱として、その果たす役割は大きい。

撮影クルーに「カメラを止めろ!」

 昨年、ホームラン王になったネフタリ・ソトは「チャモが日本のピッチャーの特徴を教えてくれたのは、自分にとって大きなプラスになったのは間違いない。日米でキャリアを残している偉大な選手と一緒に戦えるのは本当に心強いよ」と語っている。

 また、ロペスの人間性を現すエピソードとして印象深かったのは、昨シーズンを描いた球団公式ドキュメンタリー映像『FOR REAL』において、打ち込まれた山崎康晃を追う撮影クルーに対し、「カメラを止めろ!」と仲間をかばうために激昂したシーン。

 撮影クルーは、ロペスを怒らせてしまったことに申し訳ない気持ちで一杯だったが、翌日本人から「昨日は厳しい言い方をして悪かった。撮影することはあなたの仕事だとわかっているし、記録することはリスペクトしている」と声をかけられている。まさに紳士である。

ラミレス監督も信頼を寄せる。

 ラミレス監督もまたロペスのプロとしての姿勢に対し畏敬の念を示す。

「大差の勝利のとき、試合終盤になると主力を下げることがあるのだけど、ロペスだけは『最後まで出る』と言ってくる。余裕があるときは体を休めて欲しいけど、それが彼のスタイル。素晴らしいことだと思うよ」

 このようなエピソードに関しては枚挙に暇はなく、だからこそロペスには怪我をすることなく無事シーズンを乗り切ってほしい。チームにとって欠かせない主軸として、そして精神的支柱として。

 年齢的にキャリアのピークは越えているのかもしれないが、オープン戦を見るかぎりまだまだその打棒は健在だ。

 調子が上がらなければチームバッティングに徹し、守備は安定、そして手を抜くことなく全力疾走する。3月19日の阪神戦では守備中に牽制球が足に当たりグラウンドに倒れ肝を冷やしたが、しばらくして何事もなかったようにプレーに戻ったのを見て胸をなでおろした。きっとベンチも一瞬、凍りついたことだろう。

【次ページ】 「日本のレベルは高い」

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