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「打点王も獲りたかったんですよ」
ライオンズには山川穂高がいる!
posted2019/03/27 11:15
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
「本当は打点王も獲りたかったんですよ」
そう語るのは昨シーズンのホームラン王で、パ・リーグの最優秀選手に選ばれた山川穂高だ。打点王を当時、チームメイトで3番打者だった浅村栄斗(東北楽天)が獲得したことを悔やしがっていた。
「最後まで争ったんで、本当は獲りたかったんですけどね」
今シーズンは本塁打と打点のダブル受賞にも期待がかかる。浅村、炭谷銀仁朗(巨人)と2名の打者が移籍し、エースの菊池雄星も海を渡った(MLB・マリナーズ)。
「3人が移籍したから勝てなくなったなんて言われたくない」
どの選手に話を聞いても、まるで申し合わせたかのように同じ言葉が口をつく。現在、チームに在籍している選手たちの、意地とプライドを考えると、当然のセリフだ。
そこで2019年シーズン、やはり打線の中で大きな期待がかかってくるのが4番を打つ山川だ。
「野球経験者ですか?」
その、ぽっちゃりとした体形と、ホームランを打ったあとのパフォーマンスなどから、面白いキャラクターだと誤解されがちだが、実は山川は聡明な選手だ。
「野球経験者ですか?」
山川を取材する記者は、ほとんどの人が山川から最初に聞かれるという。そうやって相手がどの程度、野球を理解しているのかを判断し、筆者のような競技未経験者には言葉を選んで、わかりやすく説明してくれる。
ともに自主トレーニングを行っている山田遥楓も言う。
「山川さんは、僕のような“山川さんとは全く違うタイプのバッター”に対しては、その選手に合ったアドバイスをしてくれる。相手を見てアドバイスの内容を変えられるのは本当にすごいです」