甲子園の風BACK NUMBER
今年のセンバツは名曲だらけ!
ブラバン応援、注目の12校を紹介。
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2019/03/22 17:30
今大会では、フロリダ遠征でブラスバンド席が空いた東邦アルプスに大阪桐蔭吹奏楽部が友情応援に駆けつけることになっている。
名門中の名門・習志野の、あの曲も!
2011年夏の甲子園以来、8年ぶりに出場する習志野(千葉)。
おそらく今大会の吹奏楽部最大人数であろう、約200人でアルプススタンドに駆けつける。吹奏楽部顧問の石津谷治法氏に意気込みを聞いたところ、「聖地甲子園で演奏できる喜びを感じて、美爆音を鳴らします。気合が入りまくってマックスハイテンションです!」と、久々の甲子園出場に興奮を隠しきれない様子。
もはや習志野市民は皆知っているといっても過言ではないオリジナル曲『レッツゴー習志野』を、美しい爆音で甲子園いっぱいに響かせる。
手でアルファベットを作りながら、「Y・O・K・O・K・O ヨココー!」とコールし、凄まじい一体感を生み出す横浜(神奈川)アルプス。
勇ましい『第五応援歌』や『鉄腕アトム』の人気が高い。ちなみに、甲子園で歌う校歌の歌詞は1番のみだが、3番の歌詞には「アトム」が出てくる。2020年から共学化されるため、男子校の横高はあとわずか。迫力あふれる音圧は、ぜひ現地で体験してみてほしい。
サカナクションの曲が応援歌に!
オリジナル曲が豊富な龍谷大平安(京都)の一番人気は『怪しい曲』。怪しい曲調だから『怪しい曲』と名付けられたが、球場で聴くとたしかに怪しい。
冒頭のリズムがラヴェルの『ボレロ』を彷彿とさせることから、『怪しいボレロ』と呼ぶファンも多数。ほか、『HEIAN!』や『いかついやつ』、I~VIIIまである『爽やか』シリーズなど、個性豊かなオリジナル曲はどれも聴き応えあり。
野球応援には珍しく、ロックバンド・サカナクションの『新宝島』を演奏するのは、札幌第一(北海道)。
ボーカル&ギターの山口一郎が同校OBで、自慢の先輩が作った同曲を応援に使うようになった。今大会からは、同バンドの『アイデンティティ』も追加。
北海道出身のアーティストの曲も積極的に使用しており、今回は『地上の星』(中島みゆき)や『晴れたらいいね』(DREAMS COME TRUE)などを演奏する。
吹奏楽局顧問・村上裕真氏作曲のオリジナル曲『一高コンバットマーチ』にも注目。選手たちに勇気と希望を与えるような輝かしいファンファーレ調の快活なメロディーが耳に残る。