甲子園の風BACK NUMBER
今年のセンバツは名曲だらけ!
ブラバン応援、注目の12校を紹介。
posted2019/03/22 17:30
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph by
Yukiko Umetsu
3月23日土曜日から始まる第91回選抜高校野球大会。中高時代吹奏楽部の活動に明け暮れ、現在は応援を聴きに球場に通うのが趣味の筆者がチェックしているのは、アルプススタンドの「ブラスバンド席」だ。
春といえどもまだまだ肌寒い甲子園で熱い演奏を繰り広げる吹奏楽部の、今大会注目の応援曲を紹介したい。
超速い曲、プロ野球選手の曲など。
既存の曲ではなく、オリジナルの応援曲にこだわる市立和歌山。
なかでも『レッツゴーICHIKO』は、グラウンドで闘う選手に力を与えるような、明るくポジティブ、かつ覚えやすい曲調が魅力。
The Offspringの『Pretty Fly』を、速めのテンポで演奏するのは高松商(香川)。
原曲の速度は、メトロノーム表記でいうところの140前後で、速度標語で説明すると「Allegro(アレグロ)」。「快速に」「陽気に」といった意味を持ち、耳に心地よいテンポといえるだろう。一方、同校が演奏するテンポは180前後と非常に速く、速度標語では「Presto(プレスト)」。「急速に」「急いだスピードで」という意味で、勢いがありながらも先を急いでいるような印象さえも受ける、かなりアップテンポなスピード感だ。
野球部の威勢のいい掛け声と振り付けに合わせ、明るくもどこか懐かしさが漂うメロディーが特徴的な、春日部共栄(埼玉)のオリジナル曲『ガッツ』は、吹奏楽部前顧問の都賀城太郎氏が作曲。曲名は、苗字の「都賀」をひっくり返して『ガッツ』となった。
東京ヤクルトスワローズ・山田哲人選手の出身校である履正社(大阪)は、同選手の応援曲が名物。他校でも人気の応援曲で、前奏部分の「山田哲人!」と歌う部分を、自分の名前に変えて歌う球児たちが続出。後半の美しいハーモニーにも注目。
星稜(石川)といえば、何といっても『星稜コンバット』。半音ずつ下がっては上がるメロディーがクセになる名応援曲で、高校野球ファンの間でも非常に人気が高い。