甲子園の風BACK NUMBER
今年のセンバツは名曲だらけ!
ブラバン応援、注目の12校を紹介。
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2019/03/22 17:30
今大会では、フロリダ遠征でブラスバンド席が空いた東邦アルプスに大阪桐蔭吹奏楽部が友情応援に駆けつけることになっている。
天理との対戦で生まれた名曲とは?
広陵(広島)のオリジナル曲『チアソング』は、天理(奈良)の名応援曲『ワッショイ!』の影響を受けて誕生。
同校野球部OBの中井哲之監督が、1980年夏の甲子園準々決勝で天理と対戦して破れた際、「『ワッショイ!』に追い込まれて負けた。うちにもオリジナルの応援曲を」と長らく希望していたことで作られた曲。
「『ワッショイ!』の一定のリズムが守りにくかった」という自身の経験から、『チアソング』も淡々としたリズムと不安をあおるような曲調で相手を追い込む。
千葉ロッテマリーンズの応援曲を多用することでも知られる東邦(愛知)は、今大会、大阪桐蔭吹奏楽部が友情応援に駆けつけることが話題に。
東邦で日頃応援を担当しているマーチングバンド部がフロリダに遠征するため、大阪桐蔭が友情応援を引き受けた。名物ともいえる「戦闘開始」こと『SHOW TIME』(湘南乃風)では、拳を突き上げながらコールする「We are 東邦!」の掛け声や、マーチングバンドならではの複雑な振り付けも大阪桐蔭が完全再現。
演奏しながらひざの高さまで足を上げるなど、キレのあるハードな動きにも注目だ。
まだ無名の応援曲も是非聞いて欲しい!
ビッグイニングを呼び込み、何度も劇的な大逆転をもたらしてきた “魔曲”『ジョックロック』が有名な智辯和歌山は、昨年のセンバツで披露した『ミラクルショット』に続き、2年連続で新曲が登場する。
今回用意したのは、甲子園初陣を迎える中谷仁監督をアルプススタンドから後押しすべく、音楽ユニット・竜馬四重奏の『YAMATO』を用意。
津軽三味線、篠笛などの和楽器とヴァイオリンを融合させたグループの曲で、勇ましき侍を彷彿とさせるメロディーが特徴。吹奏楽部の生徒がアレンジを担当した。
ざっと書き出しただけでも聴きどころ満載の今センバツ。
まだまだ知られていない応援曲はたくさんあるので、ぜひ甲子園に足を運んでみてはいかがだろうか。グラウンドで熱戦を繰り広げる選手とともに、“音楽の力”で闘うアルプススタンドの吹奏楽部にもぜひ注目してみてほしい。