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絶対的本命が不在のセンバツ2019。
「複数の好投手」を満たす学校は?
posted2019/03/20 17:30
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Kyodo News
今年のセンバツ大会は本命不在の大混戦になりそうだ。
8校(4試合)ごとにA、B、C、Dとブロックを4つに分けて準決勝進出校を予想すると、Aブロック・星稜、Bブロック・横浜、Cブロック・八戸学院光星、Dブロック・智弁和歌山と名前が挙がる。だが、どの学校にも絶対的な力はない。
過去5年の優勝校には好投手がいた。
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2014年の龍谷大平安には高橋奎二(ヤクルト)、'15年の敦賀気比には平沼翔太(日本ハム)、'16年の智弁学園には村上頌樹(東洋大)、'17年の大阪桐蔭には徳山壮磨(早稲田大)、'18年の大阪桐蔭には根尾昂(中日)、柿木蓮(日本ハム)、横川凱(巨人)という顔ぶれだ。
プロ野球のスカウトに注目される好投手を擁していることがセンバツ優勝のキーポイントになりそうだが、近年は加えて、'18年の大阪桐蔭に象徴されるように“複数“の好投手を擁していることの重要性がましている。'17年の大阪桐蔭もまた、主戦の徳山以外に香川麗爾と下級生の根尾、柿木、横川がマウンドを踏んでいる。
秋の覇者・札幌大谷、エース奥川の星稜。
「複数の好投手」というに点に注目すると、昨年秋の公式戦の防御率が0.95の太田流星、同1.50の西原健太を擁する札幌大谷が優勝候補の一角に浮上する。
昨年秋の明治神宮大会では初戦で関西王者の龍谷大平安を西原、太田の継投で5失点でしのぎ、6-5で粘り勝ち。準決勝の筑陽学園戦は太田が2失点完投、決勝の星稜戦は西原が1失点完投と複数エースの強みを発揮して栄冠を獲得した。
注目度の高い星稜も複数の好投手を擁する。
明治神宮大会では準決勝までは奥川恭伸がほとんど1人で投げたが、決勝の札幌大谷戦は荻原吟哉が先発して7回途中まで2失点に抑える好投を見せた(結果は1-2で惜敗)。
機動力に富んだ攻撃陣も星稜の魅力で、チーム盗塁数21は出場校中9番目の多さを誇る。さらに私が“俊足”の目安にする打者走者の「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12秒未満」をクリアしたのが、明治神宮大会の広陵戦で4人。とくに印象に残ったのはチャンスメーカーの走塁で、4回表には1番の山本伊織がショートへの内野安打のとき4.16秒、2番東海林航介が三塁への内野安打のとき4.06秒という速さで7得点を強烈にアシストした。