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「チャンスがあれば行くか?」男子バレー高橋藍の運命を変えたブランの言葉…涙の別れから8カ月「ロス五輪では26歳…引っ張る存在になりたい」
posted2025/04/23 11:00

2025年度の日本代表登録メンバーに選出された高橋藍(23歳/サントリーサンバーズ大阪)
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Kaoru Watanabe/JMPA
涙を流したパリ五輪から8カ月――2025年4月17日、バレーボール男子日本代表の登録メンバー43名が発表された。悔しさを糧に、再び高みを目指す15名のインタビューを収録した書籍『バレーボール男子日本代表 15人の肖像』(構成・インタビュー、米虫紀子/世界文化社)より、サントリーサンバーズ大阪・高橋藍(23歳)のエピソードを抜粋して公開します。フィリップ・ブラン前監督への感謝を述べた高橋藍が新生日本代表に懸ける想いとは?【全2回の1回目/西田有志編も公開中】
「勝たせられなくて、ごめんな」
イタリア戦のあと、ブラン監督からは一番にそう伝えられました。
涙でなかなか言葉になりませんでしたが、僕も「こっちこそごめん」と。お互いに「ありがとう」という言葉も交わしました。本当に僕はブランに感謝しているので。
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やっぱりブランが日本代表で積み上げてきたものがありましたし、自分が今あるのはブランのおかげですから。
今これだけサーブレシーブをして、スパイクに入って、というスタイルでできているのは、ブランにしつこく言われて成長できたから。もう本当に口酸っぱく言われましたよ(苦笑)。僕が代表に入って彼と出会ったのは、まだ高校を卒業するかしないかの時期だったので、だからこそ基礎が大事だということをずっと言われていた。「お前はパスができる人間だから、まずパスに集中して、それからスパイクに入れ」と。最後まで言われていたぐらいです。でもそれが染み付いているから、今でもパスが乱れた時に、「あ、スパイクのほうに意識が向きすぎているな」と自分で気づいて修正できる。
「うるさいな」「鬱陶しいな」と思ったことは本当に何回もありましたけど(笑)。特に最初の頃は「もう代表イヤだな」と思うぐらい言われていました。でもそれは本当に僕のことを思ってのことだったし、その最初の山を、耐えて耐えて乗り越えたからこそ、今それを強みとして持てているんじゃないかと。