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<日本を愛するトップジョッキー>
クリストフ・ルメール「はるばるきたぜ、函館」
text by

平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKeiji Ishikawa
posted2017/08/05 17:00

「初めて日本に来た時は宝塚市に泊まりました。電線が町中に張り巡らされているのをみて驚きました。フランスでは、全て地中に潜ってますから。街並み、家、車、全てが欧州とは違うので、カルチャーショックを受けました」
日本ダービーを含め、今春史上2人目のGI・3週連続勝利の偉業を達成したクリストフ・ルメールは'02年に初来日した時の印象を懐かしそうにこう明かす。彼は昔から刺激を求めるために“移動する”ことを難儀に思わない性格だったという。
「高校生の頃、南フランスに住んでいました。当時から騎手になりたかったので学校が休みの度に飛行機や電車で数時間かけて(パリ近郊の)シャンティイまで移動して、馬の調教に乗っていました」
'99年に騎手デビューした後もその姿勢に変わりはなかった。欧州各国は勿論、ドバイやアメリカにも飛んで、更なる刺激を求め続けた。21歳の時に滞在したインドで、思わぬ出会いがあった。
「インドでは初騎乗で勝利したり、2日間で9鞍に乗ってGI・3つを含む7勝したりと良い成績を残すことができました。
その活躍がフランスの騎手エージェントの目にとまり、インドまで連絡が入ったんです。『フランスに戻ったら僕と組もう』というお誘いをいただき、帰国後、実際に契約を結びました。それからしばらくして、そのエージェントから社台ファームの吉田照哉さんを紹介されたんです。彼が照哉さんとも懇意にしていたのです」
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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