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還暦ジョッキー的場を背に、奇跡のマイナー血統が活躍。~母はなんとアラブ限定戦で27勝を上げた名牝~
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byKyodo News
posted2017/08/12 17:00
'08年生まれのゴーディーはオルフェーヴルと同年代。乗り役の的場文男は5月に通算7000勝を達成している。
7月26日に大井競馬のトゥインクル開催で行われた「サンタアニタトロフィー」(3歳以上オープン、ダート1600m、ハンデ)は、今年で38年めの開催を刻んだ、SIII格の重賞レース。レース名で想像がつく通り、米国カリフォルニア州のサンタアニタパーク競馬場との友好交流提携を記念しての交換競走で、今回はJRAから武豊、クリストフ・ルメール、和田竜二が場内で行なわれたトークショーのゲストに招かれ、当日のイベントを大いに盛り上げた。
レースの結果もドラマチックだった。牡の9歳馬、ゴーディー(大井・赤嶺本浩厩舎、父プレシャスカフェ、母イケノエメラルド、母の父コノミテイオー)が4番人気の低評価を覆して、4馬身差の逃げ切りで圧勝。その鞍上にいたのは60歳10カ月の的場文男騎手で、自身が持つ最年長重賞勝利記録をまた少し更新した。トークショーの席上、「大井で乗るときは、的場さんに特に気をつけています」と言ったのは武豊騎手。鮮やかな快勝劇を目撃したあと、「的場さんくらいまで乗っていたい」と、還暦ジョッキー伝説を引き継ぐ決意も表明してファンを沸かせた。