【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
スポーツ会場の規模が小さくなる?
ボクシングが予見する興行の未来。
posted2019/01/21 07:00
text by
池田純Jun Ikeda
photograph by
AFLO
年末年始のスポーツ番組はなかなかの盛り上がりを見せていました。
年明け1月10日に開催されたNumber Sports Business Collegeに登壇してくださった那須川天心選手が、フロイド・メイウェザー・Jr.と戦ったエキシビションマッチや、東海大が青山学院大の総合5連覇を阻止した正月恒例の箱根駅伝などは、高視聴率を弾き出しました。
その数字は、スポーツが日本のエンターテインメントの中で確固たる地位を築いていることの表われではあります。その一方で、スポーツビジネスにある種のパラダイムシフトが今起きているのではないか、と「興行の未来」をあらためて考えさせられた年末年始になりました。
かつてK-1や総合格闘技が日本から世界へ、各国の選手を巻き込んで大きなムーブメントへと羽ばたいていく、そんな時代がありました。1988年と1990年、バブルの真っ最中ではありましたが、東京ドームを満員にすれば、マイク・タイソンを2度も日本に呼ぶことができました。
しかし、今の時代はそうではありません。
生涯収入ランキングを見ると。
野球を例に考えてみましょう。
2017年末、「フォーブス」が、プロスポーツ選手の生涯収入ランキングを発表していました。
1位から5位までは、以下の通り。
1. マイケル・ジョーダン(バスケットボール)/18億5000万ドル(約2085億円)
2. タイガー・ウッズ(ゴルフ)/17億ドル
3. アーノルド・パーマー(ゴルフ)/14億ドル
4. ジャック・ニクラウス(ゴルフ)/12億ドル
5. ミハエル・シューマッハ(F1レース)/10億ドル
いずれも凄まじい収入ではありますが、実は20位までの間に野球選手は、17位に入ったA-RODことアレックス・ロドリゲスただ1人でした。ここからもわかるように、MLBの市場は、世界レベルでいえば巨大とはいえません。