濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER

「ヒールが可愛くて何が悪いの?」上谷沙弥が打ち明けた“ある変化”「こういうのはヒールが言うことじゃないかな」それでもファンに投げかけた言葉とは

posted2025/04/13 11:00

 
「ヒールが可愛くて何が悪いの?」上谷沙弥が打ち明けた“ある変化”「こういうのはヒールが言うことじゃないかな」それでもファンに投げかけた言葉とは<Number Web> photograph by Hirofumi Kamaya

4月27日に中野たむとの“敗者引退マッチ”を控える上谷沙弥

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

PROFILE

photograph by

Hirofumi Kamaya

女子プロレス団体スターダムのチャンピオンであり、バラエティ番組への出演でも話題を集めるヒールレスラー・上谷沙弥。4月27日に行われる中野たむとの“敗者引退マッチ”を前に、現在の思いを聞いた。《NumberWebインタビュー全2回/後編に続く》

 業界最大の女子プロレス団体、スターダムの現在のトップはヒール=悪役だ。団体最高峰の“赤いベルト”ワールド・オブ・スターダムを保持する上谷沙弥。フジテレビ『千鳥の鬼レンチャン』出演も話題になった。

 短いインターバルで300m走を繰り返す過酷なレースで決勝進出。今の女子プロレスを世間にアピールしたいという想いをストレートに語り、決勝を終えると号泣した。その姿がインパクトを残し、SNSのフォロワーが激増したそうだ。

 上谷にとって、ヒールは単なる“キャラ”ではない。

ADVERTISEMENT

「スターダムに入門した頃は、自分がヒールレスラーになるなんて想像したこともなかった。だけどいろんなことが積み重なっての今だから。急に思いついたとか、そんな軽いもんじゃない」

「“努力は必ず報われる”なんてウソ」

 身体能力が高く、空中殺法を得意とする上谷は新人時代から注目された。“白いベルト”ワンダー・オブ・スターダムのチャンピオンとして防衛記録を作ったことも。ただ栄光と同じかそれ以上に挫折も味わってきた。

 プロレスを始めたきっかけは、スターダム発のアイドルグループに参加したこと。それまでAKB48の期間限定企画『バイトAKB』のメンバーだったことはあるが、他のオーディションは落ちまくったという。真剣に打ち込んできたヒップホップダンスは、アイドルとしては本格的すぎたのかもしれない。背の高さもマイナスに作用しているような気がした。

「“努力は必ず報われる”なんてウソじゃないか。私はこんなに努力してきたのに」

 AKB48の総監督(当時)、高橋みなみの名言も虚しく聞こえた。必死で頑張ることに臆病になっている自分がいた。

「頑張ったところで結果にはつながらないしなって、自分自身を信じられない期間が長かったね」

あらゆる感情を伝える“今の上谷の魅力”

 元アイドルの人気選手、中野たむに誘われてプロレスの道へ。やはり味わったのは喜びだけではなかった。

「白川未奈にケガをさせてしまったこともあるし、中野たむとの試合では自分がケガして長期欠場。サイン会で暴言を吐かれたこともあった。そういうことが全部つながってる」

【次ページ】 メイクも好評で「ヒールが可愛くて何が悪いの?」

1 2 3 NEXT
#スターダム
#上谷沙弥
#中野たむ

プロレスの前後の記事

ページトップ